10年以上前に加入した保険は解約しないほうがトク?

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上野 やすみ先生
プロフィール
いま加入している保険で保障が足りているか、ムダな保障はないかを徹底チェック!必要保障額の目安や見直し方、保険料を安くおさえる方法など、ご家族の状況や家計全体のバランスを考えながら、1人1人に合った保険選びをお手伝いします。むずかしいと思われがちな保険の内容もわかりやすい言葉でアドバイスします。

二ノ宮 節子さん(仮名)のご相談

現在、保険料を毎月5万2000円支払っており、収入のわりに保険料が多いかなと思っています。でも、10年以上前に契約した保険は解約しないほうが良いと聞いたことがあり、どう見直せばいいかわかりません。保険は解約せず特約をやめたり、内容を変更することができるのでしょうか。なるべく早く住宅ローンを完済し、一戸建てを購入するために貯蓄をしたいと思っています。ぜひ、アドバイスお願いします。

二ノ宮 節子さん(仮名)のプロフィール

33歳、専業主婦。32歳のご主人と1歳になるお子さんとの3人暮らし。

・家計状況

1.月間収入(手取り)
270,000円
2.月間支出費用
住宅ローン 35,000円
管理費・駐車場代 15,000円
車両関連費 20,000円
食費 45,000円
水道光熱費 15,000円
通信費 15,000円
交際費 10,000円
教育娯楽費 10,000円
こづかい 20,000円
その他支出 13,000円
3.保険料・貯蓄
月保険料 52,000円
月貯蓄・投資額 20,000円
4.ボーナス
手取り 930,000円
ローン返済費 0円
その他支出費用
(毎月赤字分決済)
230,000円
貯蓄額 700,000円
5.資産・負債の状況
現在の貯蓄残高 1,000,000円
現在の住宅ローンの残高 2,800,000円
住宅ローン完済時期 2011年6月

・保険の加入状況

A生命保険
種類 終身保険 被保険者の名義
加入時期 平成11年 払込期間 60歳まで
保険金額 終身800万円 月額保険料 18,000円
医療保障、入院給付金
の一日の額
7,000 円 特約 災害割増800万円
傷害800万円
B共済
種類 終身共済 被保険者の名義
加入時期 平成3年 払込期間 60歳まで
保険金額 終身1000万円
(60歳まで2500万円)
月額保険料 12,000円
医療保障、入院給付金
の一日の額
災害10000円
特定疾病5000円
特約 災害死亡割増
(60歳まで1000万円)
がん死亡給付
(60歳まで500万円)
C共済 年金共済
種類 終身年金 被保険者の名義
加入時期 平成5年 払込期間 60歳まで
保険金額 年額120万円 月額保険料 年払13,000 円
医療保障、入院給付金
の一日の額
0円
D生命
種類 学資保険 被保険者の名義
加入時期 平成14年 払込期間 18歳まで
保険金額 180万円 月額保険料 9,000円
医療保障、入院給付金
の一日の額

予定利率が高い時期に加入した保険は、貯蓄のつもりで継続するのも1つの方法

10年以上前の保険は、払済保険にするか貯蓄のつもりで継続を!

二ノ宮さんの場合、毎月の保険料が多いのはすべて貯蓄性の高い保険だからです。見直しの際には、必要な保障が確保されているか確認することが大切です。

現在、二ノ宮さんが加入している終身共済1000万円は、加入時期が平成3年で予定利率が5.5%のときのもの。予定利率が高いときは利息がたくさんつくのでその分保険料が安くなり、逆に低いときは利息があまり見込めないため保険料が割高になります。現在の予定利率は1.5%程度なので、二ノ宮さんの保険は今では加入することのできない有利な保険です。

終身保障1000万円は専業主婦には多めですが、貯蓄のつもりで継続するのも1つの方法です。いずれ住宅の買い替えやお子様の教育費などで資金を必要とするので、そのときに保障を減額、または解約し、その分の解約返戻金を受け取るのでもいいでしょう。解約する場合には、入院や手術の保障を重視した医療保険への加入をおすすめします。

もう1つの方法としては払済保険があります。これは保険料の支払いをストップし、その時点の解約返戻金をもとに保障の小さい終身保険を買う方法です。特約はすべて解約されるため、別途医療保険に加入する必要がありますが、払済にした保険は今までの予定利率がそのまま引き継がれるメリットがあります。解約返戻金が手元に戻るわけではないので、住宅ローンの繰上げ返済などには利用できませんが、毎月の支払いが浮いた分、貯蓄に回すことが可能です。

しかし、それを定期預金に預けても金利は0.07%程度(3年定期)しかありません。それならば資金が必要になるときまで予定利率の高い保険を継続していたほうが有利といえます。すぐに見直すとしたら特定疾病特約を解約すること。これは給付金が支給される条件が厳しいわりに保険料が割高になっています。通常の入院特約があれば特定疾病特約はなくてもいいでしょう。

二ノ宮さんがもう1つ加入している年金共済は老後資金として必要なものです。しかも予定利率が4.75%と有利なものなので、できるだけ継続されることをおすすめします。

ご主人の保険は定期保険+医療保険で保険料1万円減!

ご主人が現在加入している保険は、死亡保障800万円で世帯主としては保障が不足しています。しかも、終身保険のため掛け捨てタイプの保険よりも保険料は割高。加入時期が平成11年で予定利率も2%と低いため、継続にこだわる必要は無いでしょう。

二ノ宮さんの場合、お子様が小さいので、大きな保障を確保することが必要です。死亡保障3000万円程度の定期保険に加入することをおすすめします。

必要保障額はお子様の成長とともに減少していくので、加入当初は大きな保障で、その後年々減額されていく逓減定期保険で準備するのも1つの方法です。

例えばアリコジャパンの逓減定期保険では、保険期間20年、加入当初の死亡保障3000万円の場合、毎月の保険料は約5000円(32歳男性)です。この場合、毎年50万円ずつ保障が減額していき、10年後には1500万円、17年後以降は600万円となります。

逓減定期保険

あるいは3000万円の保障が10年間続く定期保険に加入し、10年後の更新時に2000万円程度に減額する方法もあります。アリコジャパンの定期保険では、3000万円の保障で保険料は約6800円(同)。オリックス生命のオリックスダイレクト定期の場合は5520円(同)です。

終身保険を解約すると医療保障も無くなるため、改めて医療保険も準備しましょう。
オリックス生命の「入院保険fit(フィット)」は1回の入院限度日数が60歳までは30日、60歳以降は90日までと、高齢になると入院が長期化するリスクに備えた保険です。5日以上の入院で5日目からの保障、入院日額5000円の場合、毎月の保険料は2,495円(インターネット申込み、32歳男性)です。1泊2日の入院から保障される初期入院特約もありますが、保険料は月々575円アップします。短期入院なら貯蓄でもカバーできるので、特約をつけないという選択も検討してみてください。

この定期保険+医療保険への見直しで、保険料は約1万円節約できます。

これまでの保障 新しい保障
終身保険 18,000円 定期保険 5,000円
医療保険 2,000円
保険料 18,000円 合計 7,000円

学資保険は元本割れ。預貯金での準備も検討を!

現在加入中の学資保険は、毎月の保険料が9000円。18年間支払うと194万4000円ですが、満期時に受け取れる金額は180万円だけです。元本割れしてしまうものなので、解約して定期預貯金などで準備するのも1つの方法です。解約するとソンすると思うかもしれませんが、続けていても満期時には14万円ソンすることが確実。解約が早ければ早いほどソンは少なくて済みます