第33回:家に住む【子供に話すお金の話】


みなさんは、「衣食住(いしょくじゅう)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。人が生活していく上で衣(洋服、ファッション)、食(食事)、住(家)が必ず必要になってきます。この中でも「家」は私たちが毎日生活をする場所ですので、とても大切なものです。そこで、今回は「家に住む」というテーマでお話しましょう。

「一軒家」VS「マンション」あなたはどちらがお好き?

ところで、みなさんはどんなお家にお住まいでしょうか。
大きく分けて「一軒家」と「マンション(アパートを含む)」の2つのどちらかになるでしょう。一軒家というのは、1軒ごとに独立している、いわゆる一般的な家のことを言います。
それに対して、マンションだと1つの建物の中にたくさんの家があり、「集合住宅」という言い方をすることもあります。では一軒家とマンション、どちらの方が良いのでしょうか。
それぞれの特徴を見てみましょう。

  一軒家 マンション
いいところ ・自分だけの家を作れる
・ガーデニングや家庭菜園を作れる
・ペットを飼うことができる
・新しいマンションだと色々な設備が整っている
・防犯上、安全性が高い
・一軒家と比べて暖かい(ことが多い)
・家の中は階段などの段差が少ない

例えば、家を最初から自分で設計して、自分の思い通りの家を建てたいというような人は間違いなく一軒家の方が良いでしょう。あるいはガーデニングや家庭菜園などが趣味の人であれば、ある程度広い庭が必要なので、同じく一軒家の方が良いでしょう。なぜならマンションだとベランダではガーデニングや家庭菜園は難しいからです。また、犬や猫などのペットがいる場合も一軒家の方が良いでしょう。最近はペットを飼うことのできるマンションも増えましたが、同じマンション内にペットが苦手な人もいるかもしれないので他人に気をつかう必要があり、特に部屋の外で動物を飼う場合は一軒家で庭がないと難しいからです。この他に小さな子供がいる場合はマンションだと下の階の人に気をつかうから、という理由で一軒家を選ぶ人もいます。
以上のように、一軒家を選ぶ人の特徴としては、他の人の目を気にすることなく暮らしたいという人や、自分の庭で家庭菜園をしたい、あるいはペットを飼いたいなどの“こだわり派”に向いています。

これに対してマンションの魅力は、最初から色々な設備が付いていることでしょう。特に新しいマンションであれば色々な設備が整っていることも多く、例えばあらかじめ高速のインターネット回線が部屋まで引かれていたり、床暖房が付いていたり、あるいはゴミ置き場がマンション内にあって24時間ゴミを出すことができる、などはマンションならではの設備と言えるでしょう。また、オートロックや監視カメラがマンションに付いていれば、不審な人がマンションの敷地に入ってくるのをある程度防げますので、防犯上も安心です。このほかにも、一般的にマンションの方が一軒家と比べて暖かいと言われていますが、これは外の空気と接する部分が少ないからであり、逆に言うと一軒家は外の空気に接している部分が多いため寒いのです。また、それからマンションは一軒家と違って家の中に階段がありませんので、高齢者の中でもマンションを好む人は多いようです。
以上のようにマンションを選ぶ人の特徴としては、「多少は他の人に気をつかうけど、便利な設備が付いていたり、あるいは防犯上安心な方が良い」という“お手軽派”に向いています。

家を買う?借りる?

さて、家を選ぶ際にはもう一つ大事なことがあります。それは、家を「買う」か「借りる」かを決めることです。
では、家を借りるのと買うのでは、どちらの方が良いのでしょうか。これも人によって違いますので、それぞれの特徴を見てみましょう。

  家を買う 家を借りる
いいところ ・ずっと住み続けることができる
・自分の思い通りの設計ができる
・家の中を好きなようにリフォーム(改造)できる

・あとで売ることができる

・自分の欲しい設備のある家を選ぶことができる
・気分を変えて住む場所を変えられる
・毎月の家賃を払えば住める(一度にたくさんのお金を用意する必要はない)

家を買えば、まさに「自分の家」ですので、将来ずっと住み続けることができます。家を借りるのであればいつかは家主に返さなければなりませんので、「いつかは出ていかなければならない」という心配はありません。また、家を買う場合は自分の好きなように設計ができますし、建てた後に家の中もリフォーム(改造)が自由にできます。これも家を借りる場合は、自分のものではないので勝手に改造したりすることはできません。もちろん、家を買った場合は自分の持ち物ですので、あとで売ることも可能です。ただし、家は「一生で一番高い買い物」といわれるぐらい高価で、都心に近いと数千万円はかかってしまいます。そのため、家を買うにはたくさんのお金を借りる必要がありますので、買うときには十分慎重になる必要があります。
以上のように家を買う人の特徴としては、「自分の好きな家を建てたい、あるいは気に入った家に改造したい」というこだわり派の人や、「長く(あるいは一生)この場所に住み続けたい」人向きです。

一方、家を借りる人にとっては、その時に応じて好きな家を選べるというメリットがあります。例えば、子供が生まれて家族が増えたら広い家を借り、逆に子供が独立して夫婦2人だけになったら大きい家は必要ないので、小さい家を借りて引越しをする、ということが可能です。また、自分が欲しい設備が整っている家に引越しをすることも可能です。例えば、床暖房や浴室乾燥機のような設備が欲しいと思えば、その設備がある家を借りればよいですし、お年寄りであればバリアフリー(段差がない)のある家やマンションを借りるなどもできます。そして、なんといってもたくさんのお金を用意する必要はなく、毎月の家賃さえ払えば住むことができるのは魅力です。家を借りる人の特徴としては「気に入った家があれば借り、もっといい家があれば引越してその家を借りよう」という人向きです。

家を買う人が減っているって本当?

昔は、「家庭を持ったら家を買う」という人が圧倒的に多かったのですが、最近は家を買う人が減っています。では、それはなぜなのでしょうか。
1つ目の理由として、良い一軒家やマンションを借りることができるようになったことです。昔は、良い家やマンションに住もうと思ったら家を買わなければならず、借りた場合はいい物件があまりなかったからです。ところが日本の法律が変わり、2001年頃からは家を借りる人向けにたくさんの良質なマンションが作られるようになったのです。
もう1つの理由としては、やはりなんといっても不景気が原因でしょう。最近ではお給料が下がってしまったり、あるいは会社が倒産してお給料がもらえなくなる人も多くなっています。そのため、家を買うためにお金を借りても、何十年にもわたって毎月ちゃんと返せるかどうかが心配なので、家は買わずに借りる、という人が多くなっています。
これは家やマンションに限らず、車でも同じことが起きています。つまり、最近では車を運転する人でも、あまり乗らない人であれば車を使うときだけレンタカーを借りる、という人が多くなっています。
これからの時代は、家や車に限らず「買わずに借りる」という人がますます増えてくるのかもしれませんね。

執筆:坂本光(さかもと ひかる)CFP
一級ファイナンシャルプランナー・CFP®、日本キャリア開発協会認定キャリアカウンセラー、日本応用カウンセリング審議会認定心理カウンセラー。2006年5月週末起業を決意し、通信会社に勤務しながら合同会社FPアウトソーシング代表を務める。ファイナンシャルプランニングに関する個別相談・セミナー講師としても活動中。

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