節約・ライフプラン

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節約マネーコラム

第46回: 2007年の個人の税金はどう変わるの? (2007年2月)

今年も確定申告の時期がやってきました。何かと税金の話題が多くなるときで、税金のことにも興味を持つ人もいらっしゃるでしょう。

今年は、他人事ではない税金の変更があります。定率減税の廃止です。2005年までは、本来の所得税額から20%減税(25万円を限度)されていたものが、2006年(昨年)には、10%減税(12.5万円を限度)となっていました。この定率減税が2007年(今年)からは廃止され、個人の税負担は増加します。

ところが、1月の給与明細を見て、逆に手取が増えている!と思った方もいらっしゃるでしょう。今回は、このからくりや、その他個人にまつわる税金で2007年から変わるものなどをピックアップして見ていきましょう。

定率減税の廃止と、住民税への移行

上記のとおり、今年からは定率減税が廃止されるため、個人の税負担は昨年までより増えることになります。定率減税は、所得税のみならず、住民税でも2005年までは15%減税、2006年までは7.5%減税でしたが、これも廃止されます。

これにより、本来であれば、2007年1月の給与から差し引かれる所得税額が増え、6月の給与から住民税も増えるはずでした。

<定率減税廃止による影響> ・・・財務省HPより
定率減税廃止による所得税・個人住民税の負担額の変化(夫婦2人・年額)
給与収入 改正前
(定率減税あり)
改正後
(定率減税なし)
負担額の変化
300万円 8,300円 9,000円 700円
500万円 177,400円 195,000円 17,600円
700万円 418,000円 459,000円 41,000円
(注)  1.子のうち1人が特定扶養親族に該当するものとしています。
  2.給与所得者が1人の場合の負担額です。
  3.一定の社会保険料が控除されるものとして計算しています。

ところが、今年はもう一つの変更があります。これは「税源委譲」と言って、税源を国から地方へ移すものです。私達納税者にとっては、納める場所が違ってくるだけで、税負担の総額の変化はないのですが、その内訳が異なってくるため、当初はとまどう人も多いと思われます。

具体的には、所得税の税率は昨年まで4段階だったものが6段階に、住民税の税率は3段階だったものが一律10%となります。これにより、下表の例のように年収500万円だった人は、所得税は年間11万9000円から5万9500円に大幅に減りますが、その分住民税が大幅にアップするのです。

<税源移譲による負担額の変化> ・・・財務省HPより
夫婦+子供2人の場合(年額)
給与収入 税源移譲前 (単位:円)
所得税 住民税 合計
300万円 0 9,000 9,000
500万円 119,000 76,000 195,000
700万円 263,000 196,000 459,000
給与収入 税源移譲後 (単位:円)
所得税 住民税 合計
300万円 0 9,000 9,000
500万円 (↓) 59,500 (↑) 135,500 195,000
700万円 (↓) 165,500 (↑) 293,500 459,000
<2007年の所得税額速算表:税額=課税所得金額×税率−控除額>
課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 427,500円
695万円超900万円以下 23% 636,000円
900万円超1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 40% 2,796,000円

所得税は、1月の給与からこの制度で計算されているため、天引きされる所得税が少なくなり、手取額が増えているのです。しかし、6月より住民税は大きくアップすることが予想されますので、家計管理上もしっかりと覚えておきましょう。

住宅ローン減税は期間を選択可能に

税源委譲により、所得税自体の金額は引き下げられるため、その影響が考えられるのが住宅ローン減税です。住宅ローン減税は、年末のローン残高の一定割合まで税額控除できるもので、その人の実際の所得税額が上限となっています。

そのため、所得税額自体が下がることにより、今までの制度のままでは、所得税から控除しきれない人が増えると予想されます。これに伴い、2007年と2008年に入居の場合には、従前の控除期間10年と、新たに控除期間15年が設けられ、どちらかを選択できるようになりました。

<控除期間10年間の場合>
居住年 控除期間 借入金の年末残高 適用年・控除率
2007年 10年間 2500万円以下の部分 1年目〜6年目     1.0%
7年目〜10年目     0.5%
2008年 10年間 2000万円以下の部分 1年目〜6年目     1.0%
7年目〜10年目     0.5%
<控除期間15年間の場合>
居住年 控除期間 借入金の年末残高 適用年・控除率
2007年 15年間 2500万円以下の部分 1年目〜6年目     0.6%
11年目〜15年目    0.4%
2008年 15年間 2000万円以下の部分 1年目〜10年目     0.6%
11年目〜15年目     0.4%

所得税額が下がることにより、控除しきれない場合には、15年間の場合も試算の上、有利な方を選択すると良いでしょう。

なお、1999年〜2006年の入居者の場合には、従前の制度により引き続き住宅ローン減税を受けるため、控除しきれなくなる場合があります。この場合には、市町村に申告書を提出することにより、2008年度分以降の住民税の所得割額からも控除する経過措置が設けられます。2008年度分については、2008年3月17日までに申告書を提出すれば、この経過措置が受けられます。

その他、個人の税金の改正点は・・・

その他、個人の税金面では、マイホームに関して「特定居住用財産の買換えの特例(床面積の上限撤廃)」、「居住用財産を買換えた場合の譲渡損失の繰越控除等」、「特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等」については3年間、「住宅用家屋の所有権移転、抵当権設定登記に対する登録免許税の軽減」については2年間延長され、昨年までと同様の内容で継続されることになりました。

なお、「相続等により取得した居住用財産の買換え・交換の特例」は撤廃されます(2007年4月1日以降)。

また、運用面に関しては、上場株式等の配当等、および上場株式等の譲渡所得の軽減税率の特例(所得税7%、住民税3%)も1年間の延長が決まっています。

あと重要な改正点として、2006年の税制改正で決定した「地震保険料控除」も今年から適用となります。その一方で、昨年までの火災保険・傷害保険等に対する「損害保険料控除」は、2006年12月末で廃止となりました。ただし、2006年12月末以前始期の保険期間10年以上の満期返戻金がある保険契約は経過措置があります。

今年からは、経過措置以外は、損害保険のうち控除対象となるものは、地震保険料のみ(上限5万円)となりますのでご注意ください。


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ファイナンシャルプランナー(CFP®)
高田晶子
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