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家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。 ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。 |
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| ■ご相談者 |
・家計状況
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| ■アドバイス |
![]() 住宅購入直後の収入減は大変ショックでいらしたことでしょう。 ただ賢明なことに、木下様は実家にいる間にしっかり貯蓄を続けていらっしゃいました。まとまったお金は、不安な中でも落ち着いて生活設計を考える余裕を与えてくれます。 現在の残高は、これから確実に必要になる教育資金、さらなる収入の減少への備えとしては充分ですが、家計も赤字でこれ以上貯蓄が難しいため、ローンの繰り上げ返済は慎重にしましょう。 中学生ともなると、高校受験はすぐ目の前。高校とその後の進学にかかかる費用も具体的な数字となってきます。もちろん可能であればお子さんとも相談の上、奨学金の利用も考慮し、家計が厳しいときは、学校や行政に相談して支援制度があれば受けるようにします。日本育英会では、家計が急変した場合、年度途中でも奨学金が申請できる「緊急採用奨学金制度」があります。 現在の家計では、今以上の教育費の負担は難しいため、そっくり貯蓄に頼ることになるという前提に立ち、多い場合でどの程度かかるのか算出してみます。 高校は私立に進学した場合、3年間で一般に約250万円。短大では、学費から生活費まで含めて自宅通学者2年間の支出は約400万円。自宅外通学者の仕送りは8割近くが毎月10万円以上かかっています。そうすると、現時点では、少なくても600万、多い場合は合計900万円程の教育資金を考えておかなくてはなりません。 今後、給与が削減されたり、病気で仕事ができないなどの場合を考慮すると、ローンの繰り上げ返済などで手元資金が少なくなるのは、かえって生活不安が増すことになりかねません。今繰り上げ返済に回せそうな額は100〜200万円程度、あとはお子さんの進路を見極めながら考えていきましょう。
繰り上げ返済には、毎月の返済額は変えずに返済期間を短縮する方法と、返済期間はそのままで毎月の返済額を軽減する方法とがあります。木下様のように、これからも家計の赤字が続きそうなら、後者の返済額軽減型が向いているでしょう。金融機関でシミュレーションをしてもらい、負担の軽減額を確認してください。 木下様が万が一のとき、住宅ローンは団体信用保険に加入していれば相殺され、お子さんには18歳の年度末まで公的遺族年金が支給されます。その後の生活費や教育資金を考慮して、現時点では、ご自身の生命保険や貯蓄で合わせて2000万円程度カバーする必要がありますので、保険も一度見直しておかれるとよいでしょう。また金銭面だけでなく、リスクマネジメントとして、ご実家や親戚・友人関係など日頃から人間関係を良好に保つようにしておくことも大切なことですね。 |
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