保険診断Q&A

節約・ライフプラン



■アドバイス

貯蓄がない人ほど保険で備えることが重要。終身型と更新型、支払い方法なども比較して選びましょう

シングル女性に必要な医療保険

貯蓄がないとお悩みの阿部さんも、いよいよ財形貯蓄をスタートさせたのですね。実家暮らしのメリットを生かして、これからコツコツと積立てていきましょう。
そして、貯蓄が不十分なときこそ、いざというときの備えは保険でしっかり準備しておきたいところです。30代の場合、女性特有の病気も多いことから、男性より女性の方が入院しやすい傾向にあるので、予防や早期発見も心がけましょう。
阿部さんは会社員で健康保険に加入しているので、万一、長期入院などをした場合には高額療養費や傷病手当金など健康保険からの給付が見込めます。医療保険では差額ベッド代や雑費などに備えて入院1日5000円を目安に準備するといいでしょう。

更新型と終身型のメリット・デメリット

阿部さんのお悩みは、更新型か終身型のいずれを選択するかという点ですね。まず、それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。

5年、10年と一定期間ごとに更新していく更新型は、年齢が若いうちは保険料が安いので、家計が厳しい人には便利です。更新時期に新しい保障に切り替えしやすいメリットもありますが、更新するたびに保険料が高くなることや、最長で80歳または90歳までと期限が設定されているので、長生きすると保障がなくなってしまう点が心配な要素です。

終身型は一生涯の保障が確保でき、保険料が変わらないのがメリットです。しかし、60歳払込満了のタイプでは、将来の保険料を前払いするので途中で解約すると損をするケースもあります。終身払いのタイプは長生きすればするほど保険料をたくさん支払わなければならなくなります
また、終身タイプの場合、将来インフレで金銭価値が変わるかもしれない、医学の進歩などで新しい保障が開発されるかもしれないといったことも心配されています。ただ、この点に関しては、将来物価が上がったら保障を増額することで対応可能でしょうし、新しい保障が開発された場合も既存商品の例をみると特約で保障を追加するような対応をとっています。そのため基本となる入院・手術給付金を確保しておけば、その後もニーズに合わせて保障の増額が可能と思われます。


更新型と終身型の支払い総額を比較

更新型と終身型では、生涯支払う保険終身型では保険料を60歳までに払い終えるタイプとので、それらと更新型の3パターンで比較してみます。
下記は東京海上日動あんしん生命のメディカルミニに30歳で加入した場合の保険料総額です。メディカルミニは日帰り入院から1入院120日までの保障で、通算730日までの保障です。入院日額5000円、7000円、1万円の3タイプがありますが、更新型の入院日額5000円は44歳からの加入となるため、今回は入院日額7000円で比較してみます。

支払保険料総額の比較(30歳女性の場合)
  (1)更新型 (2)終身型(終身払い) (3)終身型(60歳払済)
保険料月額 累計 保険料月額 累計 保険料月額 累計
30-39歳 2121 254,520 3.654 438,480 5,887 706,440
40-49歳 2506 555,240 3,654 846,960 5,887 1,412,880
50-59歳 3458 970,200 3,654 1,315,440 5,887 2,119,320
60-69歳 5887 1,676,640 3,654 1,753,920 0 2,119,320
70-79歳 10115 2,890,440 3,654 2,192,400 0 2,119,320
保険料参考:東京海上日動あんしん生命メディカルミニ入院日額7,000円タイプ

30歳、40歳の月々の保険料は、(1)更新型が最も安くなっており、(2)終身型終身払いの58%、(3)60歳払い済みの36%の保険料ですみます。60歳までは更新型が月々、累計とも一番少ない保険料となっています。
しかし、更新型は60歳になる50歳のときの保険料よりも1.7倍高くなり、70歳でもさらに1.7倍と大幅にアップします。
累計保険料では、70歳の時点で終身払いを追い抜き、73歳で60歳払い済みを追い越します。それ以上長生きした場合には保険料累計が最も高くなるというわけです。女性の平均寿命は85歳。更新型で継続していくと老後の負担が大きくなることは避けられないでしょう。
終身型どうしで比べてみると、(2)終身払いは77歳で(3)60歳払い済みを追い抜きます。平均並みに生きるなら(3)終身型の60歳払い済みがもっとも保険料総額が少なくてすむ方法です。

ただし、これは同じ保険会社の同じ商品で比較した場合です。同一商品でも加入年齢が遅くなると、追い越す年齢も遅くなります。終身払いしかない商品、解約返戻金のある商品と無い商品、特約が初めからセットされている商品などがありますので、単純な比較は難しいですが、希望の商品の保険料総額を一度計算してから判断するのが望ましいでしょう。
例えば、オリックス生命の入院保険fitは、5日以上の入院で5日目から保障、1入院あたりの限度日数は60歳まで30日、それ以降は90日までとなっています。入院日額5000円、終身払いタイプの保険料は1610円(30歳女性インターネット申込割引適用)、80歳までの保険料総額は97万円です。60歳払い済みタイプでは月々2290円、総額では82万円です。

阿部さんの場合、現在家計が厳しいかもしれませんが、終身医療保険も2000円〜3000円で加入できるので、いまのうちに一生の保障を確保しておくのが安心かと思います。また、貯蓄を増やすこともリスクマネジメントの1つです。保障としては終身医療保険を優先し、ガンの心配等があるなら収入がアップしてきたらガン保険の加入を検討されるといいでしょう



 ▲ BACK

Copyright(C) NTT IF Corporation