保険診断Q&A

節約・ライフプラン

保険の見直し
上野さん顔写真 FP:上野やすみ

いま加入している保険で保障が足りているか、ムダな保障はないかを徹底チェック!必要保障額の目安や見直し方、保険料を安くおさえる方法など、ご家族の状況や家計全体のバランスを考えながら、1人1人に合った保険選びをお手伝いします。むずかしいと思われがちな保険の内容もわかりやすい言葉でアドバイスします。
■ご相談内容
相談者(仮名)
横原史子さん

36歳、会社員。同い年のご主人は自営業。13歳の長男、12歳の長女との4人家族。お住まいは現在ローン返済中の持ち家。
私立中学入学で教育費の負担が増大 年間100万円近い保険料をできるだけ削減したいのですが
保険料が月8万円とかなりの額です。しかし、息子が私立中学に入り教育費がアップ。家計が厳しいため保険の見直しを考えています。娘も来年には中学入学、息子と娘は英語やスイミングに通っていますが、これは続けさせたいため教育費は削れません。食費もほとんど外食せずに家で済ませ、昼食も娘以外は弁当を持参するなど自分なりに節約しているつもりです。住宅ローンのほかソーラーシステムやリフォームのためのローンがあり、これがかなり家計を圧迫している気もしますが…
将来設計がいまいち立てられず、子どもの将来の学費にも不安がよぎります。主人も国民年金には絶対入らないと豪語しておりますが、個人年金だけではかなり不安です。
どのようにしたらよいか、どうか助けてください。


・家計状況
1.月間収入 548,200 円
 夫 348,200 円
 妻 200,000 円
2.月間支出費用 466,363 円
 住居費 122,497 円
 車両関連費 40,630 円
 食費 50,000 円
 水道光熱費 15,000 円
 通信費 18,000 円
 教育費(保育料) 109,984 円
 その他ローン返済 40,252 円
 交際費 5,000 円
 教育娯楽費 5,000 円
 こづかい 40,000 円
 その他支出 20,000 円
3.保険料・貯蓄 148,810 円
 月保険料 80,000 円
 貯蓄・投資額 35,000 円
 国民健康保険 33,810 円
 <月間収支> -66,973 円
(うち3.5万円は貯蓄)
4.ボーナス
 手取り額(妻) 600,000 円
 ローン返済 200,000 円
 その他 100,000 円
 毎月の赤字補てん 250,000 円
 貯蓄額 50,000 円
5.年収 7,178,400 円
 現在の貯蓄残高 7,512,076 円
 年間貯蓄額 470,000 円
 実質年間収支 136,324 円

■アドバイス

来年は赤字!保険や車関連費、こづかいなどすぐに家計全体の見直しを!子どもの生存給付金付定期保険は解約して、その分貯蓄をしていきましょう。

教育費はこれから毎年200万円かかる!

横原さんの現在の貯蓄額は50万円。年間の収支は現在でもギリギリ。来年から娘さんも私立中学にいくことになると赤字に転落、貯蓄もすぐに底をついてしまう厳しい状況です!

チェック! これから必要となる教育費

食費など生活費は工夫してやりくりされていますので、車関連費やこづかい、そして月8万円も支払っている保険を見直して、貯蓄額を増やせるようにするのが必須です。

チェック! 横原家の現在加入している保険

ご主人の保険は、保障額はそのまま保険料の削減できるタイプに変更。浮いた保険料で国民年金に加入しましょう。

自営業のご主人に万一のことがあった場合、本来ならばお子様が高校を卒業するまで年間103万円〜126万円の遺族基礎年金がもらえますが、現在、国民年金の保険料を支払っていないとのことなので公的保障が一切ない状況です。

万一のときには、住宅ローンは団体信用生命で保障されるので、年間支出が167万円減ります。また、現在支払っているご主人の生命保険の保険料、車関連費などが減り月10万円の支出減。そして横原さんの収入が年300万円あるので、不足する生活費は年間約150万円となります。現在加入している2000万円の生命保険で13年間生活費の補てんができますが、高校、大学と学費の負担が増えると不足するので、あと1000万円程度は上乗せしたいところです。

しかし、この1000万円のうち約850万円は国民年金に加入していればカバーできる金額。国民年金は遺族のための年金、障害をおったときの障害年金、そして老後の年金と3つの役割をします。しかも老後の年金は物価に連動し、終身で受け取れるので、ぜひ加入していただきたいと思います。

保険料を安くするなら、通信販売のタイプを検討してみましょう。

☆定期保険+医療保険に加入した場合の月額保険料例(36歳男性)
保険会社 商品 内容 月払い保険料
オリックス生命 ダイレクト定期保険 死亡保障2000万円・保障期間10年 4,580 円
アメリカンファミリー生命 終身医療保険エバー 入院日額1万円・1入院60日
通算1000日保障
4,070 円

現在の保険料 21,960円 → 見直し後 8,650円(▲13,310円)

これで、国民年金保険料13,100円も捻出できました。

共働きの横原さんは世帯主並みの大きな保障を確保しましょう。

横原さんに万一のことがあった場合、ご主人やお子様には遺族年金は支給されません(参照:共働きの妻の年金)。現在の家計は横原さんの収入が無くなったら成り立たなくなりますからお子様が独立するまでの10年間、約3000万円程度の保障に加入されることをおすすめします。

☆定期保険+医療保険に加入した場合の月額保険料例(36歳女性)
保険会社 商品 内容 月払い保険料
オリックス生命 ダイレクト定期保険 死亡保障3000万円・保障期間10年 5,280 円
オリックス生命 終身医療保険
入院保険フィット
入院日額5000円・1入院60歳まで30日
60歳以降90日
2,320 円

保険料の合計は7,600円で、現在加入中の保険を増額した場合より保険料の負担は少なくなります。
60歳満期の養老保険は、老後資金として活用できるものですが、今はお子様の学費を優先するために解約するのも1つの方法です。お子様が独立する頃、横原さんはまだ46歳。それから老後資金を準備していくようにしてください。

現在の保険料 14,427円(5000円+9427円) → 見直し後 7,600円(▲6,827円)

お子様の保険は解約!保険料を貯蓄に回しましょう。

現在加入している生存給付金付定期保険は、3年ごとに32万円の給付金が受け取れ、万一のときには320万円の死亡保障が得られるタイプです。貯蓄のかわりという気持もあるかもしれませんが、保険期間中に払い込む保険料総額は約181万円で、受け取れる給付金は160万円と約20万円が掛け捨てとなります。
また、娘さんの養老保険も満期が30歳では、お金が必要な時期に使えないので、いずれも解約して、保険料分を貯蓄に回すようにしましょう。

現在の保険料 30,321円 → 見直し後 0円(▲30,321円)

トータルでは、80,077円から約30,000円に削減できました。
でも、貯蓄性の保険も解約したので、浮いた保険料は使ってしまわずに教育費のために貯蓄してください



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