保険診断Q&A

節約・ライフプラン

保険の見直し
上野さん顔写真 FP:上野やすみ

いま加入している保険で保障が足りているか、ムダな保障はないかを徹底チェック!必要保障額の目安や見直し方、保険料を安くおさえる方法など、ご家族の状況や家計全体のバランスを考えながら、1人1人に合った保険選びをお手伝いします。むずかしいと思われがちな保険の内容もわかりやすい言葉でアドバイスします。
■ご相談内容
相談者(仮名)
大野 理恵子さん

46歳、主婦。50歳のご主人(会社員)と9歳の長男、7歳の長女との4人家族。
保険会社の破たんで保障額が半減 このまま継続したほうがいいでしょうか
平成4年2月に主人が終身保険に加入。平成30年1月払込満了で契約時の保障金額は500万円でしたが、保険会社が破たんし、現在は半分以下になっています。一度破たんした会社で不安なこともあり、今後も継続した方がいいか、解約して別の保険にするか迷っています。良い方法を教えてください。


・ 年収700万円、貯蓄額1000万円
・ 住まい 持ち家(住宅ローン返済中)

■アドバイス

公的保障と奥様の収入を考慮して必要保障額を試算してみましょう 掛け捨てタイプなら割安な保険料で大きな保障を得られます

解約の検討の前に、必要な保障が確保できているかを確認しましょう。

大野さんが終身保険に加入した平成4年は予定利率が5.5%(保険期間10年超)のとき。貯蓄性の高い保険ということもあり、破たん後に大きく減額されてしまいました。
保障額が半分になってしまうと、同じ保険料を払い続けるのが負担に感じるかとは思いますが、解約するかどうかは、大野さんにとって必要な保障が確保できているかどうかを基準に検討した方がいいでしょう。

大野さんが準備すべき保障額は?

小学生のお子様が2人いらっしゃる大野さんのご家庭は、一般的には大きな死亡保障が必要とされる時期です。遺族年金や、貯蓄、死亡退職金などはどのくらいか、確認してみましょう。

2003   2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 17年間の合計
59歳 ・・・ 59歳 60歳 61歳 62歳 63歳 64歳 65歳 66歳
理恵子さん 46歳 ・・・ 55歳 56歳 57歳 58歳 59歳 60歳 61歳 65歳
長男 9歳
小3
・・・ 18歳
高3
19歳
大1
20歳
大2
21歳
大3
22歳
大4
23歳
24歳
 
25歳
 
長女 7歳
小1
・・・ 16歳
高1
17歳
高2
18歳
高3
19歳
大1
20歳
大2
21歳
大3
22歳
大4
23歳
遺族年金(万円) 217 ・・・ 217 194 194 151 151 151 151 151 3313
生活費年400万円とした場合に不足する金額(万円) 183 183 206 249 249 249 249 249 249 249 3487

17年間の生活費(400万円X17年=6800万円)-遺族年金(3313万円)-貯蓄(1000,万円)-死亡退職金(1500万円)=不足額(987万円)

大野さんに万一のことがあった場合の遺族年金は、お子様2人が高校を卒業するまでの間は約200万円、その後は151万円となります。仮に遺族の生活費を400万円とすると、第2子が大学を卒業する2019年までに不足する金額は約3500万円
ここから貯蓄1000万円と予想される死亡退職金(仮に1500万円とする)を差し引くと、1000万円が不足するということになります。理恵子さんが63歳〜85歳までの老後資金分として1100万円(年金では不足する分として年間50万円×22年間)をプラスすると2100万円を保険などで準備することになります。

ただし、この試算は大学の費用を考慮しておりません。一番お金のかかる大学生の時期に遺族年金が少なくなりますので、その時期をどう乗り越えるかにより保険で準備する金額も変わってきます。

(例) 保険で準備する金額 月々の保険料目安
(1)大学の費用はお子様本人が負担 2100万円 10,374円
(2)理恵子さんが再就職(60歳まで)。
年収200万円×14年間=2800万円
0円
(3)大学費用も含め保険で準備
2100万円+大学費用(400万円×2人)
2900万円 14,326円
(4)再就職し、大学費用も親が負担
(3) 2900万円-(2) 2800万円
100万円
※保険料参考:オリックス生命ダイレクト定期保険(保険期間5年、50歳男性)

ご主人は現在50歳のため、保険料はやや高くなりますが、保険期間を5年にすることにより割安な保険料で加入することができます。更新ごとに死亡保障を500万円ずつ減額すれば、保険料の増加も2000円〜4000円程度に抑えられます。

今後の家族のライフプランと、保険料負担、健康状態なども考えて選択するようにしてください。

現在加入中の保険はどうする?

では、ご質問の破たんで減額された保険についてですが、一生涯保障する終身保険のため期間を限定した定期保険より保険料が高めです。一生涯の保障が欲しい、また、定期保険に加入することになっても保険料を支払っていけるというのであれば、継続してもいいと思います。

特に一生涯の保障はいらない、保険料の負担が重いということであれば、解約するのも1つの方法です。

保険会社が再び破たんするか、または予定利率が引き下げになるか、は現段階ではわかりません。そのような状況にならないように生保各社は業務改革、経営統合などの対策を行っているところです。冷静に自分にとって必要な保障かどうか、という視点で保険の見直しをすることが大切です。



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