保険診断Q&A

節約・ライフプラン

保険の見直し
上野さん顔写真 FP:上野やすみ

いま加入している保険で保障が足りているか、ムダな保障はないかを徹底チェック!必要保障額の目安や見直し方、保険料を安くおさえる方法など、ご家族の状況や家計全体のバランスを考えながら、1人1人に合った保険選びをお手伝いします。むずかしいと思われがちな保険の内容もわかりやすい言葉でアドバイスします。
■ご相談内容
相談者(仮名)
古田 利明さん

35歳、現在は無職。32歳の奥様(会社員)と4歳、3歳のお子様との4人家族。
リストラで無職になり、掛け捨て保険で保険料を削減したい。いくらが妥当でしょうか。
昨年リストラにあって以来、アルバイト的なことはしていますが無職です。

結婚する少し前に生存給付付き定期付終身保険に加入し、現在は毎月1万9443円の保険料を支払っています。TVで「掛け捨ての保険にするといい」というのを聞きました。今よりもずっと保険料が安くなりそうなので検討したいと思っていますが、不安もあるので月額いくらくらいにすればいいのかアドバイスお願いします。


・家計状況
1.月間収入  
 夫 160,000 円
 妻 220,000 円
2.月間支出
 住居費 30,000 円
 車両関連費 10,000 円
 食費 50,000 円
 水道光熱費 10,000 円
 通信費 20,000 円
 教育費(保育料) 60,000 円
 その他ローン返済 0 円
 交際費 20,000 円
 教育娯楽費 5,000 円
3.保険料・貯蓄
 月保険料 28,000 円
 月貯蓄・投資額 70,000円
4.ボーナス
 手取り額(夫) 0 円
 手取り額(妻) 440,000 円
5.資産・負債の状況
 現在の貯蓄残高 6,000,000 円

・保険の加入状況
生存給付金付き定期付終身保険 保険料19443円
平成8年加入、43歳のとき更新
死亡保障 2,500万 円

 
 終身部分 200万 円
 定期特約 1,600万 円
 生存給付金付き
 定期保険
200万 円
(生存給付金
3年ごと20万円)
 特定疾病保障特約 500万 円
入院特約 1日 1万 円
成人病特約 1日 5千 円

■アドバイス

公的保障と奥様の収入を考慮して必要保障額を試算 掛け捨てタイプなら割安な保険料で大きな保障を得られます

古田さんの必要保障額は1000万円〜2000万円

アルバイト中の古田さんは、会社員のときよりも公的保障が少なくなっています。この場合、生命保険の保障を増やすのが一般的ですが、古田さんの場合は奥様が会社員として働いているので、専業主婦のご家庭より保障を減らすことができます。

古田さんに万一のことがあった場合には遺族基礎年金が支払われます。しかし、それはお子様が高校を卒業するまでで(18歳になった最初の3月末日まで)、その後は何も支払われません。この遺族年金をもとに、必要保障額を試算してみます。

☆妻子が受け取れる遺族基礎年金額(平成15年度)
32歳 46歳 47歳  
第1子 4歳 18歳 19歳  
第2子 3歳 17歳 18歳  
遺族基礎年金 126万円 103万円 0円 計1867万円

<夫死亡後の支出>


<夫死亡後の収入>


<必要保障額>

※1 現在の年間生活費…夫婦の年収524万円から年間貯蓄額84万円(月7万円×12ヶ月)、保育費72万円(月6万円×12ヶ月)を引いた額
※2 子どもの教育費…幼稚園〜高校まで公立、大学は私立文系(文部科学省「子どもの学費調査」)
※3 老齢年金…会社に38年勤務、平均月収25万円の場合(平成15年度価格)
※4 働ける年数…60歳まで

このように、古田さんの必要保障額は約1100万円となりました。しかし、これはあくまでも試算であり、1つの目安にすぎません。今後、奥様が働き続けることができなくなったり、老後の年金が減少したり、不時の出費が増えたりと、思いがけない事態が起こる場合もあります。少し余裕をもって、2000万円程度の保障を確保しておくことをおすすめします。

共働きの場合、奥様の保障は多めに準備しましょう

共働きのご家庭で注意していただきたいのは、奥様に万一のことがあった場合でも遺族年金は支給されないケースが多いという点です。

遺族基礎年金(国民年金)が受け取れるのは、子どものいる妻か、子ども(両親ともいない)だけで、夫は対象外になります。遺族厚生年金は夫も対象ですが、妻が死亡したときに夫が55歳以上の場合で、60歳になってから受け取れるようになります。
子育て期間でちょうどお金がかかる時期には遺族年金は受け取れないのです。

そこで古田さんのご家庭は、奥様も死亡保障をしっかり準備しておく必要があります。
今後古田さんが再就職でき、奥様同様、年収300万円程度を確保できたとすると、古田さんの必要保障額に遺族年金分約2000万円をプラス。約3000万円が奥様の必要保障額となります。

掛け捨てタイプの保険なら、割安な保険料で大きな保障を得ることができます

現在古田さんが加入されている保険は、生存給付金が受け取れるようになっているので、保険料もその分高めになっています。予定利率(最低保証利回り)が高い時期には貯蓄性の高い保険が人気でしたが、予定利率が低く保険会社の破たんも珍しくなくなってきた現在では、保障と貯蓄は分けるほうがいいでしょう。

古田さん夫妻の場合、一定期間の死亡保障が得られる定期保険をおすすめします。掛け捨てタイプの保険はソンのように思われがちですが、割安な保険料で大きな保障を得られるメリットがあります。保険料を年払にすれば約5%割引になります。

☆定期保険の保険料例(アメリカンファミリー生命の定期保険)
死亡保障 年齢・性別 月払い保険料 年払保険料
(1ヶ月あたり)
 2000万円 35歳・男性 4,320 円 49,500 円
(4,125 円)
 3000万円 32歳・女性 4,470 円 51,180 円
(4,265 円)

死亡保障とともに、入院に備えて医療保険にも加入しておきましょう。オリックス生命の入院保険fit(フィット)は、60歳までは1回の入院が30日までと短くなっていますが、65歳以降に90日までの保障となります。年齢が高くなるにつれ入院日数も長引く傾向にあるので、効率よく保障を準備できます。終身保障で、加入時のまま保険料は変わりませんインターネットから申し込むと保険料が割引になり、入院1日5000円、1泊2日からの保障(初期入院特約付き)の場合、月々の保険料は2,090円(32歳女性)、2495円(35歳男性)です。

ご夫婦の保険料を合計すると13,375円になります。今までの保険料より約6000円安くなったうえ、夫婦2人に必要な保障を準備することができました



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