保険診断Q&A

節約・ライフプラン

保険の見直し
上野さん顔写真 FP:上野やすみ

いま加入している保険で保障が足りているか、ムダな保障はないかを徹底チェック!必要保障額の目安や見直し方、保険料を安くおさえる方法など、ご家族の状況や家計全体のバランスを考えながら、1人1人に合った保険選びをお手伝いします。むずかしいと思われがちな保険の内容もわかりやすい言葉でアドバイスします。
■ご相談内容
相談者(仮名)
塩田 智子さん

44歳 会社員。現在は分譲マンションに一人暮らし。
一人暮らしで、病気やけがで働けなくなった時のことが心配です。女性が一人で将来も安心して暮らしていくための備えは?
4年前に購入した都内の分譲マンションで一人暮らしをしている女性会社員です。
最近病気で6日間入院したことがきっかけで、保険について真剣に考えるようになりました。現在加入中の保険は医療保険、がん保険、損害保険で、すべて会社で入っている団体扱いの保険です。
独身の私が死んだことによってその後の生活に困る家族はいませんので、死亡時の保障は必要ありませんが、自分自身が病気やケガをした時の保障、特にそのために働けなくなった時の保障には重要性を感じています。

現在私が加入している医療保険は8日以上の入院でなければ保障は受けられないということで、今回の6日間の入院は対象外でした。そのため、現在加入中の医療保険と傷害保険を解約して、がん以外の病気やケガまでカバーできるような特約をがん保険につけた方がいいのではとも考えました。
家庭を持っている人のための保険についての解説はよく目にしますが、私のような一人暮らしの独身中年女性も今のご時世では少なからずいると思います。そういう人のためのアドバイスをいただけたらと思っています。



・家計状況
1.月間収入
 手取り収入 403,890 円
2.月間支出
 住居費  102,798 円
(住宅ローン)
14,860 円
(修繕積立金+管理費)
31,000 円
 (都税固定資産税・
  毎四半期)
 車両関連費 0 円
 食費 35,000 円
 水道光熱費 10,000 円
 通信費 10,000 円
 教育費 0 円
 その他ローン返済 0 円
 交際費 3,000 円
 教育娯楽費 6,000 円
 こづかい 50,000 円
 その他支出 20,000 円
3.保険料・貯蓄
 月保険料 24,985 円
 月貯蓄・投資額 13,095 円
(財形 10,000 円
会社の持ち株会 3,095 円)
4.ボーナス
 手取り額  2,068,720 円
 ローン返済費 238,948 円
 その他支出費用 住宅ローン繰上げ返済
100-200万 円
 貯蓄額 0 円
5.資産・負債の状況
 現在の貯蓄残高 5,000,000 円
 現在の住宅ローンの残高
26,803,271 円
 (2028年完済予定だが、
 会社の融資制度なので
 退職時に一括返済を
 求められる。)
8,593,255 円
(公庫・銀行2033年
完済予定)

・保険の加入状況
 保険1
保険会社・商品名  A生命保険会社
 終身医療保険
 (会社経由団体扱い)
被保険者の名義  本人
加入時期  平成13年 期間  終身
保険金額  100万円(死亡・高度障害) 月額保険料  9,864円
医療保障、入院給付金
の一日の額
 5,000円(ただし8日目以降)    
 保険2
保険会社・商品名  B生命保険会社
 がん保険
 (会社経由団体扱い)
被保険者の名義  本人
加入時期  平成11年 期間  終身
保険金額  100万円 月額保険料  3,851円
医療保障、入院給付金
の一日の額
 10,000 円    
 保険3
保険会社・商品名  C損害保険会社
 普通傷害保険
 (会社経由団体扱い)
被保険者の名義  本人
加入時期  平成14年 期間  平成15年まで(毎年更新)
保険金額  1,000万円 月額保険料  970円
医療保障、入院給付金
の一日の額
 入院3,000円・通院2,000円    
 保険4
保険会社・商品名  会社のグループ年金 被保険者の名義  本人
種類  積み立て年金
(拠出型企業年金保険)
加入時期  1988年
期間  60歳まで 保険金額  874.5万円
(2002年1月現在
積み立て額4571984円)
月額保険料  1万円(ボーナス時5万円)    
■アドバイス

シングル女性は医療保険と貯蓄で安心を確保しましょう。

医療保険の選択は欲しい保障の範囲を明確にして比較検討しましょう。

塩田さんがお考えの通り、シングル女性にとって、病気やケガなどで働けなくなった場合のことが最も心配されるところです。そのような場合に備えて医療保険にはぜひとも加入しておきましょう。
現在ご加入中のA社の終身医療保険は、病気入院8日以上でないと給付金がもらえないタイプということが、見直しのきっかけになったようです。最長何日までの入院が保障されるか、保険料の支払いはいつまでか、なども含めて他の医療保険と比較してみてください。

短期入院と長期入院 どちらに備えるか

現在ご加入中のB社のがん保険に医療特約を付ける場合、日帰り入院から保障されますが、1回の入院で60日まで、通算1000日までの保障となります。特約保険料は44歳女性の場合2,585円ですが、塩田さんは会社の団体扱いのため多少保険料は安くなると思います。特約をプラスしてもA社の終身医療保険より安いですが、B社の場合、保険料の払込期間は終身となります。

A社の終身医療保険は7日までの入院は保障されないものの、1回の入院で120日まで保障されます。また、保険料の払込は60歳までで満了となる点がB社生命の保険とは異なります。
最近は医療技術の発達で入院日数も短期化していますので、短期入院でも給付金が下りるタイプを選択するのも1つの方法です。
しかし、一方では短期入院なら貯蓄でもカバーできるので、保険は長期入院に備えておくという考え方もあります。

例えば、ソニー生命の医療保険は、1回の入院が60日・120日・300日・730日・1000日などのパターンが用意されており、契約時に選択することができます。

厚生労働省の患者調査によると、1週間以内の入院は全体の36.1%、平均在院日数は40.8日となっていますので、短期の保障でも大半の病気はカバーできると思われます。
長期の保障になればそれだけ保険料も高くなりますので、自分で一番不安な部分は何か(例えば、確率は低くても長期入院が不安…など)、貯蓄でどの程度準備できるか、などを考慮して保険を選択することが大切です。

<医療保険の選択ポイント>
何日目の入院から
給付金がもらえるか
最長何日まで保障されるか 保険料の払込期間は
何歳までか
保障期間は何歳までか
 ・ 1泊2日から
 ・ 5日目から
 ・ 8日目から     など
 ・ 60日
 ・ 120日
 ・ 360日
 ・ 720日
 ・ 1000日      など
 ・ 60歳まで
 ・ 70歳まで
 ・ 終身        など
 ・ 60歳まで
 ・ 70歳まで
 ・ 85歳まで
 ・ 終身        など

塩田さんは最近入院されていますので、しばらくの間、新規で保険に加入することができない場合があります。当面は現在の保険を継続し、その間にじっくり検討してみてはいかがでしょうか。見直しをする場合は、まず、新しい保険に申し込みをして診査が通り、保障が開始されてから現在の保険を解約するようにしてください。
傷害保険はスポーツなどをする機会が少ないのであれば一旦解約し、ちょっとしたことで骨折などをしやすい高齢になってから加入を検討してもいいでしょう。傷害保険は年齢に関係なく保険料は一律です。

老後の安心は貯蓄から

シングルの場合、高齢になって病気や介護状態になることも心配です。そのような場合に備えて余裕を持った貯蓄が必要ですので、早めに住宅ローンを返済し老後資金の準備を始めるようにしましょう。




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