保険診断Q&A

節約・ライフプラン

保険の見直し
上野さん顔写真 FP:上野やすみ

いま加入している保険で保障が足りているか、ムダな保障はないかを徹底チェック!必要保障額の目安や見直し方、保険料を安くおさえる方法など、ご家族の状況や家計全体のバランスを考えながら、1人1人に合った保険選びをお手伝いします。むずかしいと思われがちな保険の内容もわかりやすい言葉でアドバイスします。
■ご相談内容
相談者(仮名)
小寺 早苗さん

33歳 主婦。37歳のご主人(会社員)と長女8歳、次女6歳のお子さんとの4人家族。お住まいは持ち家(ローン返済中、団体信用生命に加入済み)
収入減で保険料が負担に。掛け捨てタイプで保険料を抑える方法は?
家計が苦しいので保険内容を見直して保険料を抑えたい。給料やボーナスはどんどん少なくなるし、ローンは待ってはくれないし、子どもが小学校のうちに貯蓄もしておきたいし、保険どころではない・・・というのが現状です。

保険料は毎月45000円! 私は先日、体をこわして手術を受けたので、当面保険の見直しはできませんが、主人の保険を掛け捨てのものを上手く取り入れて、23000円までに抑えることはできませんか? どうか助けてください。


・家計状況
1.月間収入 3.保険料・貯蓄
 手取り収入 270,000 円
 月保険料 47,000 円
2.月間支出  月貯蓄・投資額 9,000 円
 住居費 86,056 円 4.ボーナス
 車両関連費 7,500 円  手取り額 420,000 円
 食費 42,000 円  ローン返済費 341,802 円
 水道光熱費 18,000 円  その他 70,000 円
 通信費 7,000 円  貯蓄額 90,000 円
 教育費 15,000 円 5.資産・負債の状況
 その他ローン返済 なし  現在の貯蓄残高 1,400,000 円
 交際費 6,000 円  現在の住宅ローンの残高 50,000,000 円
 教育娯楽費 10,000 円  完済時期 2034 年
 こづかい 20,000 円
 その他支出 17,000 円

・保険の加入状況
  保険の種類 死亡保障 医療保障 保険料
 有期払込終身保険 終身 700万円  0 5,860 円
 生前給付終身保険 終身 300万円
家族収入特約 3600万円
災害死亡給付 1500万円
傷害特約   1000万円
ガンなど三大成人病にかかった場合に生前給付金が支払われる 11,961 円
 総合医療保険 100万円 入院日額1万円
成人病特約5千円
通院3千円
11,150 円
 がん保険 100万円 入院日額1万円 1,440 円
 会社の共済 613万円(一時金463万、
年金6万×25年)
  2,548 円
 合計 病気死亡   5313万円
ガンによる死亡5113万円
災害による死亡7813万円
 入院日額1万円
(ガンのとき2万5千円
+生前給付300万円)
32,959 円

 有期払込終身保険 終身 300万円  0 3,417 円
 総合医療保険 100万円 入院日額1万円
通院3千円
子型入院6千円
8,656 円
 合計 400万円 入院日額1万円 12,073 円
合計保険料 45,032 円
■アドバイス

必要な保障に限定し、掛け捨てタイプに変更を。死亡保険金・解約返戻金を無くした医療保険でさらに保険料をスリムに。

必要保障額を確認し、重複した保障を整理してみましょう。

小寺さんのように住宅ローン用の保険に加入済みで、奥様とお子さん2人のご家庭なら死亡保障は3000万円程度が目安となります。
医療保障は会社員の場合、入院日額5000円が目安と一般的に言われていますが、今年10月と来年4月の2段階に分けて患者の自己負担額が引き上げられますので、少し多めに入院日額7000円前後を目安にするといいでしょう。

現在ご主人がご加入の保険をすべてあわせると、死亡保障額が5300万円、医療保障は入院日額1万円、ガンの場合には日額2万5千円+一時金300万円と手厚い保障になっています。
生前給付終身保険はガン・急性心筋梗塞・脳卒中になった場合に、一括して保険金が支払われ、それ以外の理由で亡くなられた場合には死亡保険金として支払われるもので、単なる終身保険よりも毎月の保険料が高めに設定されています。しかも、小寺さんはがん保険にも加入されており、医療保険にも成人医療特約が付加されていますので、ガンの保障が重複しています。
全体的に保障を減額、重複した保障を無くす、そして保険料を削減することをポイントに、保険を見直してみます。

終身保険にこだわらず、すべて掛け捨てタイプに見直して保険料を大幅削減!

まず、死亡保障は有期払込終身保険700万円を残して、生前給付終身保険、共済613万円を解約、新たに定期保険(保険料が掛け捨てで一定期間だけの保障)2500万円に加入する方法があります。定期保険2500万円の保険料は約6000円ですので、生前給付終身保険と共済の保険料13,698円より約7700円安くなります。

または、有期払込終身保険、生前給付終身保険、共済を解約し、定期保険3000万円に加入するという方法もあります。
終身保険は一生涯の保障が得られるので安心ではありますが、60歳以降になれば貯蓄も増えていますし、お子さんも就職しています。奥様の生活費として自身の年金とご主人の遺族年金、貯蓄があれば十分でしょう。それよりも大きな保障が必要で保険料を抑えたい今の時期に有利な保険を選ぶことも検討してみてください。

掛け捨てタイプで死亡保障3000万円を準備すると、保険料は次のようになります。

保険会社・商品名 毎月の保険料 保険期間
オリックス生命
オリックスダイレクト定期保険
7,260 円 10年
(10年間保険料は変わらない)
損保ジャパンDIY生命
1年組み立て保険
6,000 円 1年
(毎年保険料がアップ。
10年間の平均では7,908円)
※37歳男性の保険料

この方法ですと、保険料は現在より12,000円ほど安くなります。ただし、上記商品いずれも更新後に保険料はアップしますので、更新時に死亡保障を少しずつ減額していくといいでしょう。

医療保険は死亡保険金・解約返戻金を無くした割安な商品で準備!

医療保険では、死亡保険金や解約返戻金を低く設定またはゼロにし、保険料を割安にした商品がいくつか登場しています。

保険会社・商品名 入院給付金日額 毎月の保険料 限度日数
アメリカンファミリー
EVER(エヴァー)
8,000 円 3,344 円 日帰り入院から保障。1入院60日まで、通算1000日限度
5,000 円 2,090 円
※37歳男性、保険期間:終身、保険料払込期間:終身払、手術給付金付き

現在ご加入の医療保険は1入院あたり120日、360日、730日のいずれかのタイプになっていると思います。厚生労働省の統計では平均入院日数の約90%が60日以内の入院となっていますので、上記商品でも十分カバーできると思います。
この見直しで医療保険の保険料は3分の1に削減できます。

お子さんの保障は掛け金1000円の共済がおすすめ
現在、小寺さんご本人の医療保険にお子さんの医療特約がついていますが、その分は共済などで準備するといいでしょう。
県民(都民)共済のこども共済こども1型は掛け金1000円で、入院日額5000円、ケガの通院1日2000円、病気死亡200万円、扶養者の死亡(ケガ)350万円、第三者への損害賠償100万円と充実した保障内容です。2人のお子さんそれぞれ加入して掛け金は2000円。現在加入の子型特約の保険料は2940円なので、保険料が3割安くなります。

小寺さんの見直し後の保険料例
  保険の種類 保険料
 有期払込終身保険 5,860 円
 生前給付終身保険 11,961 円
 総合医療保険 11,150 円
 がん保険 1,440 円
 会社の共済 2,548 円
 合計 32,959 円

 有期払込終身保険 3,417 円
 総合医療保険 8,656 円
 合計 12,073 円
合計保険料 45,032 円
 
  保険の種類     保険料
 ★定期保険
 (オリックス生命)
3000万円 7,260 円
 ★医療保険(EVER) 入院日額8000円 3,344 円
 がん保険    1,440 円
 合計    12,044 円

 有期払込終身保険    3,417 円
 総合医療保険 子型特約を解約 5,716 円
 ★こども共済 1000円×2人 2,000 円
 合計    12,073 円
合計保険料    23,177 円
(★印は新規加入)



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