第4回:住まいの安全性を高めるリフォーム


交通事故より怖い家庭内事故

意外に知られていないことですが、実は家庭内での事故は交通事故より怖いのです。厚生労働省の人口動態調査によると、2000年度に住宅内の事故で亡くなった人は4943人。交通事故で亡くなる人のほぼ半数に匹敵します。しかも、その8割以上が65歳以上のお年より。交通事故で亡くなった人と家庭内事故でなくなった人の比率をお年よりだけでみると、なんと4対6で家庭内事故のほうが多くなっています。クルマの行き交う中を足元のおぼつかないお年よりが歩いている姿をみると心配になりますが、実はそれよりも住宅内にいるほうが心配というのですから、なんとも困ったものです。

そこで、実際にどんな事故で亡くなっている人が多いのかをみると、お風呂での水死がトップで、以下転倒、転落などとなっています。

これらは住まいのリフォームによって十分に防ぎうるものです。最近の新築住宅ではバリアフリーがほぼ当たり前になっていますが、一昔前以上に買った住まい、また建てた住まいは必ずしもそうとは限りません。住まいのなかにやたらと段差があったり、すべりやすい浴室、手すりのない浴槽などになっています。まずこうした点を解消して、安全な住まいにリフォームするのが先決です。安全な住まいはお年よりにやさしいだけではなく、若い人にも安全であるのはいうまでもありません。

介護保険をうまく使えば安くすむ

具体的には、住居内の段差の解消からはじめてください。玄関のたたきの段差を解消するのは簡単ではありませんが、車いす用のスロープをつける、階段状にする、また腰掛けることができるスペースを設置して、そこで靴を履いたり脱いだりしながら、スムーズに上り下りできるようにする手もあります。

古い住まいだと各部屋に敷居があったり、比較的新しい住まいでも和室と廊下や洋室に段差があったりします。これがつまずき、転倒のもとになります。スロープで段差を解消したり、引き戸の下枠を撤去して、段差のできないレールに取り替えるなどのリフォームで格段に安全になります。

廊下や階段に手すりを設置するのは当然のことですが、古い住まいだと廊下などの幅が狭く、手すりをつけるとぶつかりやすくなって、却って危険度が高まることがあります。そのために、最低でも80cm以上、できれば1mほどの幅がほしいのですが、それはこれからの住まい選びのこと。狭いものを広げることは簡単ではありません。工務店などでよく相談してどんな対応が可能かを考えてみてください。

浴室周りについても、脱衣室、洗い場、浴槽にそれぞれ手すりが欠かせません。予算などを考慮すれば、浴室を丸ごとユニットバスに取り替えるのが無難でしょう。バリアフリータイプの段差が少なく、手すりのついたタイプが主流になっています。工期も短くすむので不便さも解消されます。さらに、緊急警報装置の機能もあるオートバスならより安心感が高まります。

なお、こうしたバリアフリー工事は、介護保険制度で「要介護」の認定を受けているお年よりがいる場合には、介護保険の適用が受けられるケースがあります。かかった費用の9割まで、最高20万円が限度ですが、ケアマネージャーに相談してぜひとも活用しておきたいものです。


家庭事故の死者数と65歳以上のお年よりの割合

お風呂での水死 3126人 (86%)
平面上での転倒 998人 (86%)
階段からの転落 418人 (66%)
建物からの転落 401人 (40%)

(資料・国土交通省『人口動態調査(2000年度)』)

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