第42回:結婚年齢で変わる!?マネープランの考え方


さまざまな試算やケースで、「夫33歳、妻30歳、長男5歳、次男3歳」のようないわゆる“モデル世帯”が取り上げられます。ところが、実際に相談をお受けしていると、最近では、30歳前後でお子様が生まれるというのが典型的、とは言えなくなってきていると感じます。40代になってからお子様が生まれるケースもかなり多くなってきており、従来のライフプランやマネープランの考え方も変えていかなくてはならないように思います。

人生の三大資金として、「住宅資金」「教育資金」「老後生活資金」が挙げられますが、ライフプランの多様化により、これらの資金がかかる時期も人それぞれ。そこで、20代で結婚30代半ばで結婚40代で結婚の3つのケースで、どのようにプランニングが異なってくるのかについて、それぞれの特徴を見ながら考えてみたいと思います。

<前提条件:3つのケースに共通>

  • 結婚1年後に第一子、3年後に第二子が生まれる
  • 結婚2年後に住宅購入、頭金800万円、借入金3,000万円、返済期間30年
  • 子どもは、高校から私立に進学。また、大学にも進学
  • 60歳で定年退職
  • 下記のグラフ(基本的な条件は同一と仮定、キャッシュフロー表を元に三大資金を試算)

ケース1:28歳で結婚した場合

(29歳で第一子誕生、30歳で住宅購入、31歳で第二子誕生)

<3大資金の負担イメージ>

<主な特徴>
住宅ローンは、ほぼ定年時に支払いが終了し、定年後の大きな支出はありません。また、子どもの教育資金も50代前半で終了するため、定年までの間に老後生活資金を貯める準備期間を十分に取ることが可能です。

<留意すべき点や対策>
比較的若い頃から住宅ローンの返済が始まります。収入もまだ低く、この頃は家計が厳しい状況が続くかもしれません。貯蓄がなかなかできないということも考えられますが、後半になるにつれて収支は楽になっていきますので、厳しい時期も支出をうまく抑え、家計を赤字にしないよう努めましょう。

ケース2:35歳で結婚した場合

(36歳で第一子誕生、37歳で住宅購入、38歳で第二子誕生)

<3大資金の負担イメージ>

<主な特徴>
住宅ローンの支払いが定年後も数年間続いてしまいます。60代前半は、年金の受給もなく影響が大きいと考えられます。また、教育費負担が終了すると同時期に定年退職に。老後生活資金を貯める余裕がなかなかありません。

<留意すべき点や対策>
60代前半は、年金受給もなく、住宅ローンのように大きな支出があると、貯蓄を大きく減らしかねません。教育費支出の負担がまだ軽い40代のうちに繰上返済を行い、返済期間を短縮し、定年退職時までに支払いが終わるように心がけましょう。また、老後生活資金の準備期間も短いので、教育費支出がありながらも、老後へ向けての貯蓄も進めておかなくてはなりません。十分な準備が不可能と判断したら、子どもの教育費には奨学金を利用するなどの手立ても必要でしょう。

ケース3:40歳で結婚した場合

(41歳で第一子誕生、42歳で住宅購入、43歳で第二子誕生)

<3大資金の負担イメージ>

<主な特徴>
定年退職時に教育費負担のピークを迎えます。つまり、ちょうど収入が無くなる頃に教育費・住宅ローン・老後生活資金の3つが重複し、家計支出は膨大になる恐れがあり、これが定年退職後数年続きます。また、教育費が終了しても住宅ローンの支払いが残っており、老後の資金繰りはかなり厳しいといわざるを得ません。

<留意すべき点や対策>
このような晩婚型の場合、住宅ローンの借入額に注意が必要です。借入額を極力少なくし、定年前に返済が終了するようにしましょう。希望価額の物件を購入するためには、結婚前にどのくらい自己資金を貯めていたかがポイントになります。また、教育費についても老後生活資金に影響が出るようであれば、最大限に奨学金の利用を検討すべきです。さらには、定年退職後も収入を得るべく、再就職を視野に入れて活動しましょう。人生の後半に厳しい時期が訪れてしまうことを防ぐためには、シングル時代の貯蓄が最も効果的です。

このように3つのケースを見ると、結婚や子どもができる時期によって人生の三大資金の負担感は大きく異なってきます

平成16年の平均初婚年齢は、男性が29.6歳、女性が27.8歳でした(厚生労働省「平成16年人口動態統計」より)。平均年齢で見ればまだまだ若いのですが、30年前の1976年と比較すると、男性が2.4歳、女性は2.9歳と遅くなっており、確実に晩婚化が進んでいます。

シングルの時期は自由きままな生活を送ることができる一方で、貯蓄を進める大きなチャンスでもあり、結婚前にどのくらいの貯蓄ができたかによって老後の生活も大きく変わってくるでしょう。「貯め時」は人それぞれです。いつ、どの資金がどのくらい かかってくるのか、少し遠い将来までの見通しをつけ、貯め時を逃さないようにしたいものです。

マネーカウンセリングネットWealth
ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
高田晶子

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