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長らくマイホーム関連の不動産会社、金融機関、そして実際にマイホームを買われた一般の方々など、多方面の取材に携わってきた経験を生かして本音でお答えします。効率的なマイホームの頭金づくりから、ローン破綻に陥らないローンの組み方、少しでもトクする返済方法まで何でもご質問ください。 |
■ご相談者 |
■アドバイス |
住宅ローンの繰り上げ返済は、残りの返済期間が長いほど効果が大きいのですが、残りの返済期間が短くなったからといってまったく効果がないわけではありません。あとわずかだからと、気を抜かずに繰り上げ返済を行って、少しでもトクする、ラクになることを心がけるようにしたいものです。池田さんの場合、2000年12月に10年返済のローンを組まれていますから、今年の4月に繰り上げ返済を実行するとなると、残りの返済期間は80カ月で、7年を切っていますが、さて、どれくらいの効果があるのでしょうか。 繰り上げ期間短縮型」返済額圧縮型」があります。期間短縮型というのは、現在の返済額を変えずに残りの返済期間を短縮する方法です。池田さんの場合には、返済額を減らしたいという希望ですから、こちらは向きません。返済額圧縮型での繰り上げ返済ということになります。 た期間短縮型のほうが利息をカットできる金額が多くなります。池田さんは繰り上げ返済額を約150万円と考えていらっしゃるそうですから、今年の4月期間短縮型で実行すると、返済期間を10回短縮でき、その間に支払うべき利息約19万円をカットすることができます。 注意しておき住宅ローン控除を利用されている場合には、その適用対象外になってしまうという点です。ローン控除の対象になるのは返済期間10年以上のローンでありすでに返済が済んでいる期間と残りの期間を通算した期間が10年を切った場合には、対象外になってしまうのです。 また、当面の返済額を減らしたいということではなく、単にトクしたいということなら、金融商品との比較も必要になります。残り返済期間が長い場合にはトクできる金額も100万円、200万円と大きくなりますが、期間が短いとこのケースのように約19万円にとどまります。利回りの高い金融商品で150万円を運用すれば、7年弱で19万円増やすことができるかもしれません。そのほうが、貯蓄が減らない安心感もあります。特に、今後金利が上がっていった場合には、注意しておきたい点です。 では、返済額圧縮型だとどうでしょうか。やはり約150万円を繰り上げ返済すると、毎月返済額を約10万円に、ボーナス時の返済額を約30万円(ボーナス月は約40万円)にすることができます。ボーナス返済額は変わりませんが、毎月の返済額を2万円ほど減らすことができます。 しかも、残りの総返済額を約16万円減らすことができます。期間短縮型に比べると、若干トクする金額が減りますが、それでも毎月の返済額を減らした上で、これだけトクできるのですから、メリットは小さくありません。もちろん、残りの返済期間は変わりませんから、通算の返済期間は10年のままで、ローン控除の適用を受けているときにも、従来通り継続されます(ただしローン残高が減る分だけ、控除額は減少します)。 気になるのは、現在の貯蓄残高が250万円で、そのうちの150万円を繰り上げ返済に回したいとされている点です。年収890万円で、年間の貯蓄額が60万円ほどということのようですが、一時的にしろ、手元に残る貯蓄が100万円に減ってしまうのには、ちょっと不安を感じてしまいます。しかも、会社の景気が悪くなっているということを考え合わせると、不安が大きくなりますから、家計をシッカリと引き締めて管理してください。 ただ、お子さまがまだ小さく、高校・大学と高額の教育費が必要になるまでには多少時間があります。それまでにローンの返済を終えるように10年ローンにされているようですから、その点は心配ないのでしょうね。
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