節約・ライフプラン

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節約マネーコラム

第56回:『家計』の今年を振り返り、来年の計画をたてましょう!(2007年12月)

毎年、師走の時期を迎えると、その年の出来事や思い出を振り返ることが多いですが、その際に「家計」についても振り返ってみてはいかがでしょうか? 今年1年の家計をチェックし、来年以降もお金の不安なく、楽しく充実して過ごせるように計画をたてると、より安心して生活できるようになります。

「お金の不安」をなくす第一歩は、あなたのご家庭で、これから、どんなことにどれくらいお金が必要なのか、また、そのお金はあるのか、ちゃんと準備できるのかなど、見当をつけることです。家計の状況や将来の予定がわかっていないと、むやみに節約しても、いくら収入を増やしても、それでお金が足りるのかはいつまでもわからず、「お金の不安」はなくなりません。

今回は、家計の今年の検証と来年の計画をテーマに、年の瀬の家計管理の具体的な視点についてご説明したいと思います。

●視点1:今年1年の家計を振り返り、しっかりとチェックする!

年の瀬の家計管理のスタートは、今年1年の家計を振り返り、その収支や貯蓄額などを具体的に把握することです。今年1年の家計の実績を把握できれば、来年以降の家計管理の計画を無理なく立てることができます。ここでは、家計把握の際の主なポイントをチェックしてみましょう。

家計把握で用意するもの 家計簿、銀行の通帳、証券会社の取引残高報告書、クレジットカードの明細書、給与明細、源泉徴収票、住宅ローンの返済予定表など

(1)1年間の収入額を把握する:年収と可処分所得は?

・給与所得者の方・・・源泉徴収票や給与明細から把握する
・上記以外の方・・・毎月の収入や定期的な収入を合算して把握する

年収 源泉徴収票の支払金額、1年間に得た収入の合算額
可処分所得 年収−(税金+社会保険料)

(2)1年間の支出額とその内容を把握する:年間の家計支出額は?

・家計簿をつけている方・・・家計簿の支出額を合算して把握する
・家計簿をつけていない方・・・預貯金の出金額から把握する(貯蓄や投資の出金分を差し引き)

年間の家計支出額 家計簿の毎月の支出の合算額
預貯金からの年間の出金額−金融商品(貯蓄、投資)への出金額
家計の支出項目 変動支出(食費、日用品・雑費、水道光熱費、衣料費、娯楽費、小遣い・・・)
固定支出(住居費、車関連費、保険料、教育費、通信費、公共費・・・)

(3)1年間の家計収支を把握する:年間の収支額(=収入額-支出額)は?

・1年間の家計収支がプラス・・・家計は黒字で、プラス分は年間貯蓄額となる
・1年間の家計収支がマイナス・・・家計は赤字で、マイナス分は預貯金などの減少となる

年間の家計収支 年収−(税金+社会保険料)−家計支出額=可処分所得−家計支出額

(4)年末の資産と負債の残高を把握する:家計の資産負債状況は?

・現在の資産残高を通帳や取引残高報告書から計算する(紙の書類、ネットの取引画面)
・現在の負債残高を返済予定表や借入残高表から計算する(紙の書類、ネットの取引画面)

家計の資産残高 預貯金+投資信託+株式投資+個人年金・・・(取引金融機関の合算)
家計の負債残高 住宅ローン+自動車ローン+カードローン・・・(取引金融機関の合算)

上記のチェックにおいて、(3)の家計収支の段階でマイナスになった、つまり家計が赤字になった場合は注意が必要です。住宅購入や車購入などの臨時出費が原因の赤字で、来年以降、黒字転換できるならよいのですが、このまま赤字が続くようなら、預貯金を取り崩して生活していくことになり、やがては借金生活に陥る可能性があります。

この場合は赤字の原因を見つけて無駄をなくし、収入アップの手段も検討すべきでしょう。家計簿や通帳、クレジットカードの明細などをよく見て、どんな支出が多かったのかを確認してみてください。また、支出の多い項目は各家庭によって違いがありますが、以下のような支出項目で見直しの余地がある場合も多いので、一度チェックしてみてください。

家計支出の見直しポイント

・外食費が多すぎないか?
・光熱費に無駄はないか?
・携帯電話や固定電話は適した料金プランになっているか?
・保険に入りすぎていないか、見直しの必要はないか?
・クレジットカードを使いすぎていないか?
・趣味・娯楽費や小遣いは見直しの余地はないか?


●視点2:来年以降のライフプランを考えてみる!

今年の家計把握を行ったら、次に、「来年以降、どんなことにお金がかかるのか」を確認するために、「ライフプラン」を考えてみます。ライフプランとは、これから将来に向かって、やりたいこと・やるべきことの計画で、ライフプラン表にイベントを予算とともに書き込めば、来年以降の大きな支出を把握することができます。

旅行や趣味などの「やりたいこと」やお子さんの教育などの「やるべきこと」、車や住宅の購入などの「金額の大きな買い物」の予定など、おおまかな予定で構わないので、書き込んでみてください。

<ライフプラン表の例>
西暦 太郎 花子 幸子 イベント 予算
2008 35 33 4    
2009 36 34 5 住宅購入 500万円(頭金)
2010 37 35 6 小学校入学  
2011 38 36 7    
2012 39 37 8 車買換 200万円
2013 40 38 9    
2014 41 39 10    
2015 42 40 11    
2016 43 41 12 高校入学  
2017 44 42 13    
2018 45 43 14    
2019 46 44 15 高校入学  

ライフプラン表に書き込んでみると、「どんな予定のために、どれくらいのお金が、いつ必要になるのか」がはっきりしてきます。さらに、来年の予定を具体的に考えるために、12ヶ月の予定を書き出してみましょう。来年中の「どんな予定のために、どれくらいのお金が、いつ必要になるのか」がさらにはっきりとします。

<来年の予定表の例>
1月 お年玉:3万円、新年会:1万円 7月 住宅購入:500万円
2月 誕生日:1万円 8月 夏休み旅行等:20万円
3月 送別会:2万円、入学祝:1万円 9月  
4月 進級関連:1万円 10月 誕生日 1万円
5月 GW帰省:10万円、自動車税:5万円 11月  
6月 自動車保険:8万円 12月 忘年会・クリスマス:5万円、正月準備:2万円

●視点3:来年に向けて計画的な家計運営を行う!

今年の家計収支や貯蓄額などが把握でき、来年以降の予定(ライフプラン)もイメージできたら、来年に向けて計画的な家計運営を行うことを考えてみましょう。

具体的には、あらかじめ支出項目別に予算を決め、貯蓄額も決めておくのです。入ってきた収入を生活費などに使った後で貯蓄しようと思っても、つい使いすぎて貯蓄できないことは多いものです。家計を予算管理して、毎月給与天引きや積立等であらかじめ貯蓄しておき、残った各予算内でやりくりしていけば、無駄な支出も減り、確実に貯蓄できるでしょう。(よく使われる「袋わけ」も、家計を予算管理する方法のひとつ)

また、家計の予算は、年間を通して組みます。月ごとに食費や住居費などのほぼ定額の支出項目だけを予算管理していても、先ほど「来年の予定」に書き出したような支出については管理できず、やりくりに困ることになるからです。そのため、今年の実績をもとに無理のない金額で、まず貯蓄額から予算を決め、その次に経常支出や臨時支出の予算を決め、そして最後にそれぞれの予算を月毎に振り分けていきます。

年間予算 年間の貯蓄額+月毎の経常支出の合計額+月毎の臨時支出の合計額
家計の予算作成

1.年間貯蓄額の予算を決める
2.月毎の経常支出の予算を決める(食費、住居費、光熱費、被服費、教育費等)
3.月毎の臨時支出の予算を決める(各種行事、ボーナス払い、税金、年会費等)
4.年間予算が決まったら、それを月毎に振り分け、各月の予算を出す)

なお、予算を考えるにあたって、ボーナスの支給額は会社の業績等で上下するので、ボーナス払いはあてにし過ぎないようにしましょう。また、収入が毎月若干変動したり、生活費の増減があったり、冠婚葬祭や病気・ケガ等の臨時出費があったりすることもあるので、予算はある程度余裕を持たせ、さらに「もしものための貯蓄」も用意しておくと、より安心できるかと思います。

来年は、家計を予算管理して、お金を心配せず、やりたいこと・やるべきことを実現していけたらいいですね。そして来年末には、予算どおりに管理できたか、貯蓄できたかなど、家計をチェックすることも忘れないようにしましょう。

ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
大林香世
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