節約・ライフプラン

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節約マネーコラム

第44回:源泉徴収票からわかること (2006年12月)

会社員や公務員の方などは、12月の給与明細とともに、なにやら薄いペラリとした紙を受け取ります。これは「源泉徴収票」と呼ばれるものですが、どんな仕組みで、どこを見たらいいのでしょう? また、受取ったらどうしたらいいのでしょう? 今回は、1年の締めくくりとして、源泉徴収票の中身について確認していきましょう。

源泉徴収票の仕組みと見方は?

源泉徴収票は、1年間に会社から受取った所得などが記載された小さなシートです。社会保険料や源泉徴収税額も記録されている「個人情報の塊」といえます。まずは、源泉徴収票に記載されている基本的な項目について、表1:山田太郎さんの例 [別ウィンドウ表示] を参考にしながら、確認してみましょう。

(1)支払金額

その年の「給与」と「賞与」の合計額(年収)がわかり、金額は支給された額面で記載されています。

(2)給与所得控除後の金額

会社員には必要経費が認められていない代わりに、みなし経費として「給与所得控除」があります。給与所得控除は、支払金額に応じて決定され、最低でも年間65万円。表1の例(年収500万円)では、収入が360万円超660万円以下に該当するため、154万円(=500万円×20%+54万円※表2参照)となります。

この給与所得控除後の金額には、「支払金額」から「給与所得控除」を引いた額が記載されています。表1の例では、346万円(=500万円−154万円)となります。

表2<給与所得控除額の計算の表>
給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%、650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30% + 180,000円
3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20% + 540,000円
6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10% + 1,200,000円
10,000,000円超 収入金額×5% + 1,700,000円

(3)所得控除の額の合計額

「給与所得控除」を除いた「各所得控除」の合計額が記載されています。その内訳となるものは、次の段(表1の黄色い部分)に記載され、その内容を書き出して計算してみると、下記のようになります。

表3<山田さんの所得控除の額の合計額(万円)>
基礎控除 38 所得税額の計算をする場合に、すべての納税者が総所得金額などから差し引くことができる
配偶者控除 38 納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に、一定の金額の所得控除が受けられる
扶養控除 76 納税者に所得税法上の扶養親族がいる場合に、一定の金額の所得控除が受けられる
社会保険料等の控除 65 納税者が自分の社会保険料を支払った場合に、または納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合に受けられる
生命保険料の控除額 10 納税者が生命保険料や個人年金保険料を支払った場合に、一定の金額の所得控除を受けられる (生命保険と個人年金保険で各最高5万円)
損害保険料の控除額 0.3 納税者が特定の損害保険契約や損害共済契約の保険料や掛金を支払った場合に、一定の金額の所得控除を受けられる (最高1.5万円)
合計 227.3 該当する各所得控除の合計額

(4)源泉徴収税額

1年間に給与から差し引かれた所得税の合計額、つまり1年間に得た給与所得から国に納付した所得税額です。これは、「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた課税給与所得金額に税率(表4)をかけて計算します。なお、今年度については、所得税の10%の定率減税があり(上限12万5000円)、これを加味したものが表示されています。(定率減税は平成18年で終了することが決定、平成19年分から税率表も改定)

<参考:山田さんの所得税額の算出過程>
1.支払金額(年収)から給与所得控除後の金額を算出します。

給与所得控除後の金額=5,000,000円(年収)−1,540,000円(給与所得控除)=3,460,000円
 ※給与所得控除の金額:5,000,000円×20%+540,000円=1,540,000円…算出式は表2参照

2.通常の所得税額を算出します。

〔3,460,000円(給与所得控除後の金額)−2,273,000円(所得控除の額の合計額)〕×10%(税率)=118,700円
 ※所得控除の額の合計額は、表3参照
 ※所得税の税率については、表4参照

3.減税後の所得税額を算出します。(2007年から定率減税はなくなります)

118,700円(通常の所得税額)−11,870円(減税額)=106,830円
 ※定率減税の減税額:118,700×10%=11,870円
 ※定率減税とは:所得税額から一定割合の税額を控除する減税措置、2006年で終了

表4<平成18年分の税率表(年末調整の対象となる給与所得者)>
課税給与所得金額(A) 税率(B) 控除額(C) 税額=A×B−C
3,300,000円以下 10% なし A×10%
3,300,000円超
9,000,000円以下
20% 330,000円 A×20%−330,000円
9,000,000円超
16,920,000円以下
30% 1,230,000円 A×30%−1,230,000円

源泉徴収票は大切な家計データとして活用!

では、手にした源泉徴収票はどうしたらいいのでしょう? 毎年、保存しておくことは当然ですが、実際には、各種ローンを組む場合や確定申告(初年度の住宅ローン控除の手続き、株取引、医療費10万円超、売却損…)をする場合など以外では、あまり使うことはないかもしれません。

しかし、このシートには前述のようにたくさんの情報が詰まっていますので、大切な家計データとして捉え、しっかりと保存しておくといいでしょう。また、ご夫婦で働かれている方の場合は、2人分をチェックするようにしましょう。さらに、エクセル等でキャッシュフロー表を作成する場合には、その年の収入データとして必須情報になります。

なお、今後については、社会保険料の負担増や定率減税の廃止など国民負担が高まる傾向にあるので、家計に入るお金を時系列で把握するためにも、「年収(支払金額)−社会保険料−所得税額」で算出した金額の推移を記録しておくといいでしょう。

源泉徴収票は1年間の収入や国民負担の大切な家計データとなりますので、家計簿や家計決算書などと一緒に保存しておくと、我が家の家計ヒストリーを残すことができます。

<毎年、家計データとしてここに注目!>
支払金額 (年収) 毎年働いて得た収入の額(年収)であり、時系列で把握すると年収推移が分かります。また、将来の年収を予測する上でベースとなる情報です。 
⇒ 前年度と比べて年収の増減率はどうか?また、過去の推移ではどうか?
⇒ 給料と賞与の割合を把握することも大切(賞与支給額は賞与明細で別途確認)
社会保険料+所得税額 1年間に支払う社会保険料と所得税額の合計額は、年収に占める負担割合で見ると結構大きいことが分かります。国の財政再建や社会保障制度改革において、将来の国民負担増が注目される中、家計にとって無視できない情報です。
※国民負担には、上記以外に住民税や固定資産税などもあります。
⇒ 年収に対する負担割合を見た場合、今後この割合が上昇する可能性も大…
年収−社会保険料 これが1年間に家計に入ってくるお金となります。
保険料−所得税額 ⇒ 家計簿の手取り収入として利用する場合も多い
⇒ 年収が増えたのに、この金額が少なくなる場合もあり

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CFP®
豊田真弓
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