節約・ライフプラン

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節約マネーコラム

第43回:自分は世間並み?日本人の貯蓄事情 (2006年11月)

2006年10月10日に金融広報中央委員会が公表した「家計の金融資産に関する世論調査(平成18年)」によると、日本人の金融資産の平均保有額は1,073万円(貯蓄がない世帯も含む)。この平均1,000万円以上という数値を聞くと、「えー!自分はそんなにない」と多くの世帯が実態と違う印象を持つでしょう。そこで今回は、日本人の貯蓄の実態をもう少し詳しく見てみましょう。

全世帯の金融資産の平均保有額:1,073万円
(内金融資産を保有している世帯の平均値:1,440万円)
2人以上の世帯の平均保有額:1,119万円 単身世帯の平均保有額:470万円
※金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査 平成18年」の調査結果の概要より参照

世論調査における平均値の欠点は?

「家計の金融資産に関する世論調査」の調査結果は、単身者から2人以上の世帯まで、また、年齢も20歳から60歳以上の世帯までを含む全国のデータです。そのため、少数ですが高額資産を保有する世帯の存在によって、平均値が大きく引き上げられてしまうのが問題といわれています。今回の調査では、金融資産を保有している世帯のうち約7割が平均値1,073万円よりも少ないと報告されているほどです。

自分の貯蓄は真ん中の順位より多いか少ないか、中央値でチェック

上記の平均値(1,073万円)では、実態に合わないという問題点を補うために、中央値というデータも公表されています。中央値というのは、調査対象世帯を保有額の少ない順(または多い順)に並べて真ん中に位置する数値を指します。

平成18年の中央値は420万円なので、自分の貯蓄額が真ん中より多いのかどうか、また、どのくらいの順位にあるのかを知るのは、世間並みかどうかを判断する一つの目安になるでしょう。ちなみに中央値は、平成17年は400万円、平成18年は420万円なので、この1年で20万円ほどアップしています。

全世帯の金融資産の中央値:420万円
(内金融資産を保有している世帯の中央値:762万円)
2人以上の世帯の中央値:470万円 単身世帯の中央値:75万円
※金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査 平成18年」の調査結果の概要より参照

金融資産の保有額別の割合は?

金融資産をどの程度持っている層が多いのかは、平成16年と平成17年のデータを参考に見てみると、「1,000万円〜1,500万円」と「3,000万円以上」の保有層が多いことが分かります。なお、平成17年については、なんと3,000万円以上が一番多い8.1%を占めています(グラフ1参照)。

<グラフ1:金融資産の保有額別の割合>

金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査」の時系列データ(平成16−17年)より参照
平成18年の「金融資産の保有額別の割合」は、コラム執筆時点では公表前
金融資産の保有額別の割合を算出するにあたって、対象となる分母(総世帯数)には「貯蓄0円の世帯」と「金額無回答の世帯」も含まれる
貯蓄0円の世帯・・平成16年:23%、平成17年:24%、金額無回答の世帯・・平成16年:15%、平成17年:17%

年代別の手取り収入に対する貯蓄割合はどれくらい?

また、多くの人が気になる項目に、手取りに対してどれくらい貯蓄をしているのかという「貯蓄割合」のデータがあるでしょう。年間手取り収入に対する貯蓄割合は、平成17年の全国平均は12%で、割合では10〜15%を貯蓄に当てることが一番多くなっています(グラフ2参照)。

中でも貯蓄に一番励んでいる世代は30代で、年収に対して平均13%、割合では10〜15%を貯蓄に当てている世代が27.8%を占めています。やはり、共働きの時期や子供の教育費がかさむ前の時期が一番貯蓄のしどきということがわかります。

<グラフ2:年間手取り収入に対する貯蓄割合(平成17年)>

※金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査 平成17年」の調査データより参照
※平成18年の「年代別の手取り収入に対する貯蓄割合」は、コラム執筆時点では公表前


金融資産は具体的に何で保有しているか?

最後に、金融資産として保有する具体的な金融商品の種類を見てみましょう。どのような金融商品を保有しているかは、預貯金や保険商品の保有率が圧倒的に多いですが、最近の傾向としては、投資信託の割合が少しずつアップしてきています(グラフ3参照)。

<グラフ3:金融資産の保有割合(平成17年−平成18年)>

金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査 平成17−18年」の単純集計データ(全体)より参照

以上、具体的な統計数値を見てきましたが、実際には、ご自分の貯蓄額が世間並みかどうかや平均などにこだわる必要は特になく、ご自身やご家族の将来や使いたい目的に合わせて必要額以上を確保しているかどうかが重要になってくると思います。

ただ、統計的に気になるのは、「貯蓄をしている人」と「貯蓄をしていない人」が大きく二極分化する傾向にあることです。

<家庭の貯蓄の保有状況(平成18年)>
貯蓄を保有している 77.1%
貯蓄を保有していない 22.9%
※金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査 平成18年」の調査結果の概要より参照

<家庭の手取り収入に対する貯蓄状況(平成18年)>
年間手取り収入から貯蓄をした(平均は13%ぐらい) 68.0%
年間手取り収入から貯蓄を全くしなかった 30.1%
設問不回答 1.9%
※金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査 平成18年」の単純集計データ(全体)より参照

くれぐれも、貯蓄ができずにやりたいことを断念することのないよう、少しでも早いうちから目標を設定して、コツコツと家計コントロールに励んでいただきたいと思っています。

マネーカウンセリングネットWealth
CFP®
吹田朝子
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