節約・ライフプラン

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節約マネーコラム

第29回:今どきの子供のマネー教育 (2005年9月)

ここ数年、子供に対するマネー教育の機運が高まっています。この夏休みにも、消費者団体や東証、金融広報中央委員会、消費生活センター、子供の教育に関わる民間企業など、いろいろなところで子供へのマネー教育セミナーが行われました。特に小学生・中学生向けの体験型セミナーが多かったようです。

かくいう私も、新聞社の依頼を受けて、8月に2回の小学生向けマネー教育セミナーを開催。現在、用意している2種類のオリジナルゲームで、2日間にわたって子供たちの金銭学習(あえて学習としております)に携わりました。今回は、今どきの子供のマネー教育について考えてみたいと思います。

子供のマネー教育の現状

最初に、金銭教育とは何か、について整理してみたいと思います。金銭教育という言葉の印象からして、「お金のことを学ぶ」とか「マネーセンスを磨く」、あるいは「投資の基礎を学ぶ」などと受取りがちですが、もう少し広い意味で捉えられています。

金融広報中央委員会「What's 金銭教育」では、次のように説明されています。
「金銭教育とは、幼児・児童・生徒を対象に、ものやお金を大切にし資源の無駄使いを避ける心配りを身につけさせ、それを通じて望ましい人格の形成を目指す教育のことを言います。したがって、金銭教育は、健全な金銭感覚の育成はもちろんのこと、その延長として人格形成的な性格を持った幅広い教育概念です」

つまりは、お金のことを学んだり、健全な金銭感覚の育成だけではなく、人格形成にも関わる概念といえます。これは広い意味での金銭教育といえそうです。

<金銭教育の目標>
〜金融広報中央委員会「What's 金銭教育」より〜
(1) 金銭を活用する態度に関して
健全な金銭感覚を身につける
ものを大切にする心を育てる
資源を大切にする心を育てる
(2) 金銭と生活に関して
健全な消費生活能力を育てる
生活設計能力を育てる
(3) 金銭と社会のかかわりに関して
金銭の機能を理解する
健全な勤労観を育てる
家計運営への正しい理解と態度を育てる
(4) 人間形成における金銭の活用に関して
しつけを通して健全な人格を形成する
命を大切にする心を育てる
社会への連帯感を強める
親や社会への感謝の念を持たせる
将来への展望を持つ心を育てる

学習指導要領では、消費者として生活していくうえで必要な知識を身につけ、理解を深める機会を設けることになっていて、小学校では、生活、社会、家庭、道徳、総合的な学習の時間、特別活動に、上記趣旨が盛り込まれています。

ちなみに、うちの息子は小5ですが、小3くらいから社会科見学でスーパーへ行って物の値段を調べたり、町の職業調べなどをしていました。何度か家事の手伝いをする「宿題」が出ています。学校教育でも広い意味での金銭教育の考え方は広がりつつあるようです。

金銭教育の目的

私もここ数年、ライフワークとして子供の金銭学習に携わっておりますが、そうした中で感じているのは、「金銭教育」には大きく3つの目的がある、ということです。

1つめは、経済社会の仕組みを正しく理解して、自分もその一員であると知ること。労働によって付加価値が生まれ、会社員ならお給料という形で対価を得るわけです。そのお金でモノやサービスを買ったり、あるいは貯蓄や投資をする中で、それぞれの暮らしが営まれている、そういった流れや概念を理解することは非常に大事なことです。

2つめは、そうした社会にあって、生活者として破綻のないバランスの取れた金銭感覚を身につけ、自立して生きていける人間形成をすること。それには、子供のころからの経済や金融に関する教育が非常に重要です。たとえば、お金の管理能力は、自分の欲求のコントロールともつながっています。そうしたものは、むしろ子供時代に形成されるものでしょう。

3つめは、お金だけでものを判断するのではない価値観を育むこと。実際にゲームなどを通じての金銭教育に携わる中で強く感じる部分でもありますが、金銭教育をする上でバランスを保つのに必要なものだと思います。利己主義、拝金主義に陥りやすいのが資本主義社会の特性でもあり、短絡的に「ホリエモン」を目指す子供が増えることには危惧を覚えます。金銭教育を偏ったものにしないために、反対の要素ではあるのですが、お金だけでものを判断するのではない価値観を育むことも必要でしょう。

成長に合った金銭教育を

子供の金銭教育は、原則的には家庭で教育すべきことだと思います。先生は誰か――もちろん、お父さん、お母さんです。

家庭でどう金銭教育を進めるかについては、お子さんの成長に合わせて、できることをされるといいのではないでしょうか。参考までに、前出の「What's 金銭教育」内にまとめられているものを下に引用します。

<金銭教育への取組>
〜金融広報中央委員会「What's 金銭教育」より〜
幼稚園 小学校 中学校
お買いものごっこ
生きものの飼育、農作物の栽培
空き缶、紙パック等を用いたおもちゃの工作
こづかい帳の記帳<計画的な金銭の使い方>
買い物しらべ
持ち物への記名
勤労体験学習、ボランティア活動、家庭でのお手伝い
資源回収やバザー等で得たお金の活用についての学習
家庭の収入と支出、経済活動の仕組についての学習
カード等の仕組や長所・短所の学習
悪質商法から身を守る方法についての学習
契約の意味と責任についての学習
通信販売やインターネット取引についての学習

お金の話をタブー視せずに、親子でどんどんお金に関する話をしたいもの。
また、家計簿をつけている家庭では、その様子を見せたり、貯蓄をがんばっている様子をあえて見せて、そのおかげでクルマや家が買えたりするんだよ、ということを実践で見せてあげるのも、とてもいいお手本となることでしょう。

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ファイナンシャルプランナー、シニアリスクコンサルタント
豊田真弓
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