節約・ライフプラン

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節約マネーコラム

第28回:男女で違うマネー意識 (2005年8月)

『話を聞かない男 地図が読めない女』という本を読んだことのある人も多いことでしょう。数年前、私もその本を読んで、なるほどと感動した1人でした。そこでは、男女の違いが脳の構造の違いに起因しているという点を多くの事例で紹介しているのですが、私自身もFPとして11年にわたり相談に応じてくる中で、男女によるマネー意識の違いを肌で感じています。

男性は経済全体から、女性は日々の家計の延長から

例えば、投資の話をしても、男性は、「日本経済や世界経済の流れから、今はどちらの方向でお金を動かすとベターなのか?」という比較的大きな視点に対して、耳を傾ける傾向が強いと思います。

一方、女性は、「現在の貯蓄の中でどの程度まで投資に回しても良いか?」という点や、「どの金融機関でどのように投資をしたら良いか、その場合の手数料はどこが有利か?」というような具体的な家計から、一つ一つの行動の積み上げ効果に興味を持つことが多いように感じています。

もちろん、男性・女性という切り口で、一言で片付けられるほど単純ではないと思いますが、傾向としては、男性はマクロ経済的な大きな括りから、女性はミクロ経済的な身近な視点から物事を考えることが多いのではないでしょうか?

男性は解決策重視、女性はプロセス重視が多い

また、私どもがお金に対して相談を受けてきた際の反応から、男性はまず解決策から聴くことを求める傾向が強く、女性はプロセスから聴きたいというニーズがあるように思います。

おそらく、男性は、限られた時間で早く解決したいという意識もあるのでしょうが、結論を先に聴くと安心するようですし、多くの女性は、身近な視点から順序だてて説明を聴いたほうが、結論に対する理解がスムーズだと感じています。

実は、これらの傾向は、男性には右脳派が多く、女性には左脳派が多いということにも関連があるのではないかと思えてなりません。

「右脳派」・「左脳派」って?

確かに多くの本などに、男性は女性に比べ右脳が発達し、女性は左脳が発達していると書かれています。これは、一般的に男性が立体に対する空間認識や図形処理能力に優れ、女性が言語能力や時間連鎖的思考に優れていることを示しているそうです。

右脳の働きが活発な人は、右脳派といわれ、直感的で創造力に優れているタイプが多く、一方、左脳の働きが活発な左脳派は、論理的で判断力に優れているタイプが多いといわれますが、もちろん、男性がみな右脳派で女性がみな左脳派というふうに性別で分けられるわけではないでしょう。

あくまで傾向ということなので、私たちのように相談に応じる人間は、性別による傾向の他に、顧客の価値観なども合わせて肌で感じとるようにしています。

男性顧客・女性顧客で傾向が違ってくる実際のマネー相談の流れ

性別のみで顧客のタイプを判断するわけではないですが、上記に触れたように男女の傾向があることから、実際の相談に対応する場合も、以下のように流れが変わってくることが多くあります。

<住宅ローンの見直し相談の例>
男性顧客の場合 女性顧客の場合
結論:「現状なら、○○のメリットがあるといえますよ。」ということを説明した後、
その根拠:「現状と見直し後の比較をすると、金利・諸費用などを含めてこれだけの効果が出てきますので。」とその理由を試算結果をもとに説明。
プロセス:「まず、現状の返済内容を確認しましょう。この問題点は○○で、仮に他の住宅ローンに借換えをしたとして金利や諸費用面を考慮して比較すると、このようになります。」と順序だてて説明した上で、
結論:「○○を目的とするなら、○○したほうがいいですね。どうでしょうか?」と最終判断を導く。

<保険の見直し相談の例>
男性顧客の場合 女性顧客の場合
結論:「こう考えるなら、この方向で見直しが必要と思われますよ。」
その根拠:「なぜなら、現状では、保障額に過不足があり、複数の商品をざっと比較すると、これだけの見直しメリットが得られそうですから…」
プロセス:「あなたのご家庭の場合は、いくらくらいの保障額が必要ですね。それらをどう準備するか比較してみましょう。」
結論:「比較・検証した結果、このような見直し方法があげられます。」

もちろん、相談に対する応答にはマニュアルがあるわけではなく、実際は、顧客に応じて、説明の手法なども適宜変えていくのが通常ですが、マネー相談というのがどのような流れで行われているのか少しでもご参考になればと思い、明記してみました。なお、ご夫婦でご一緒に相談に来られた場合は、どちらが主導権を握っておられるのかを感じ取りながら、相手に合わせて相談に応じています。

皆さんもご夫婦(男女)でマネー意識が異なることがあるとしても、よくあることだと思って、早めに素朴な疑問を第3者にぶつけて、スッキリ整理されてはいかがでしょうか?

マネーカウンセリングネットWealth
ファイナンシャルプランナー(CFP(R))
吹田朝子
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