節約・ライフプラン

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節約マネーコラム

第14回:お給料から引かれる税金&社会保険料をチェック! (2004年6月)

梅雨ということもあって、不安定な天気が続いています。でも最近のクーラーには除湿機能がついていて、スイッチを入れればカラッと除湿をしてくれます。今回は給与明細から引かれている税金や社会保険料について再チェックしますので、除湿でもきかせながら(?)カラッと見ていきましょう。

お給料から引かれるものの正体

会社員のアナタのお給料から、自動的に引かれる(「源泉徴収」といいます)税金や社会保険料。普段、あまり気にしていない、あるいはあえて気にしないようにしている人も案外多いのではないでしょうか。通常5種類引かれているものの名前を、アナタは全部挙げられますか?

引かれているものの正体は、「所得税」、「住民税」、「厚生年金保険料」、「健康保険料」、「雇用保険料」。なお、40歳以上の人は、実はこれに「介護保険料」が加わるのですが、介護保険料は健康保険料に上乗せされる形でしっかりと引かれていますので。
アナタは全部挙げられましたか? 全部挙げられなかった人は、給与明細を引っ張り出して今一度確認してみてくださいね。

税金や社会保険料の名前は挙げられたけど、何%くらいの料率で、どんな中身なのか、よく知らない人もいるのでは? そんな人のために、社会人として最低限知っておきたいポイントや、最近のトピックスなどを解説しておきましょう。

所得税

所得税は、1年間の所得(会社員の場合、年間の総収入−給与所得控除)に対してかかる税金です。会社員の場合、毎月の給与やボーナスから概算された税額が天引きされ、会社が本人に代わって納税します。

年収が確定する12月に、正確な税額を計算し直し修正するのが年末調整です。所得税は、各種「所得控除」を引いた残りの「課税所得」に一定の税率をかけて納税額を計算するため、同じ年収でも所得控除が大きいほど税金は小さくなります。医療費控除など、年末調整で控除できないものについては、自分で確定申告をして納税額の修正を行います。

最近のトピックスとしては、平成16年度より実施された「配偶者特別控除」の一部廃止があります。従来、パートなど給与所得103万円未満の配偶者がいると、配偶者控除と配偶者特別控除がダブルで受けられていました。しかし、平成16年度から配偶者特別控除が一部を残して廃止されました。現在、配偶者特別控除が受けられるのは、給与収入が103万円を超え、141万円未満の配偶者がいる場合に限られます。

<配偶者特別控除はこうなった>
配偶者の給与収入 配偶者控除 配偶者特別控除
70万円未満 38万円 (廃止) 38万円
70万円以上 〜 75万円未満 (廃止) 33万円
75万円以上 〜 80万円未満 (廃止) 28万円
80万円以上 〜 85万円未満 (廃止) 23万円
85万円以上 〜 90万円未満 (廃止) 18万円
90万円以上 〜 95万円未満 (廃止) 13万円
95万円以上 〜 100万円未満 (廃止) 8万円
100万円以上  〜 103万円未満 (廃止) 3万円
103万円 (廃止) 0万円
103万円超   〜 105万円未満 0万円 38万円
105万円以上 〜 110万円未満 36万円
110万円以上 〜 115万円未満 31万円
115万円以上 〜 120万円未満 26万円
120万円以上 〜 125万円未満 21万円
125万円以上 〜 130万円未満 16万円
130万円以上 〜 135万円未満 11万円
135万円以上 〜 140万円未満 6万円
140万円以上 〜 141万円未満 3万円
141万円以上 0万円

住民税

住民税は、住んでいる都道府県や市区町村に納める地方税です。前年の所得に対してかかります。所得税が確定してから、各自治体で住民税額を算出します。都道府県民税と市区町村民税の2種類があり、いずれも、定額の「均等割」と、所得に応じてかかる「所得割」(所得税同様、所得控除が増えると税額は小さくなる)とを足して計算します。

会社員の場合、前年の所得に基づいて算出された住民税が、6月から翌年5月までの毎月の給与から徴収されます。ちなみに、新入社員の場合、1年目は住民税はかかりませんが、2年目の6月から引かれ始めるので、その時期に手取りが減ることを覚悟しましょう。

最近のトピックスとしては、「均等割」の変更があります。昨年までは、都道府県民税なら1000円、市区町村民税は人口規模で違っていたのですが、今年の徴収分から全国統一3000円となりました。また、夫が均等割を支払っていれば、妻が課税対象でも均等割が免除されていましたが、段階的に免除がなくなり、平成18年度からは全額課税されます(平成17年度は半額)。

健康保険・介護保険

健康保険は会社員が病気やケガに備えて加入する公的な医療保険です。2003年3月末までは月収とボーナスの比率が違っていましたが、2003年4月からは総報酬制になり、月収・ボーナスともに8.2%を労使で折半に(「政府管掌健保」の例)。40歳以上の人はこれに介護保険料もプラスされ、個人の負担は4.655%。これが毎月の給与から天引きされています。

同じく2003年4月より、会社員の自己負担が2割から3割にアップ。また、なぜかあまり騒がれませんが、1カ月の自己負担額の上限額(高額療養費制度といいます)もひっそりと改定が続き、引き上げられる傾向に。病気やケガで怖いのは長期入院が必要になる場合の経済的負担ですが、その上限額が上がる傾向にあるのです。保険料だけでなく、医療費の負担もじわじわとアップしているのです。

<高額療養費の払戻しライン>
給与所得者/月収 自営業/年間総所得 自己負担上限額(払戻しライン)
56万円未満 670万円以下 72,300円+(かかった医療費−241,000円)×1%
56万円以上 670万円超 139,800円+(かかった医療費−466,000円)×1%

現在、医療保険も介護保険も財源的な問題を抱えています。2004年は医療・介護に関しても改正が打ち出される可能性があります。介護保険も20歳以上から保険料を徴収する案なども出ているようで、いずれにしても負担はさらに増えそうです…。

厚生年金

会社員が加入する公的年金が厚生年金ですが、この制度から老後の年金のほか、万一の時の障害年金や遺族年金も支給されます。「厚生年金に加入している」場合、実は、国民年金と厚生年金の2本に加入しています。そのため、自営業者に比べると、年金も保障も厚めといえます。厚生年金保険料は、以前は月収に対する比率とボーナスに対する比率が違っていたのですが、2003年4月から「総報酬制」になり、現在は月収+ボーナスの13.58%を会社と個人が折半しています。

国民年金からもらえる老齢基礎年金は何年加入したかで給付額が決まりますが(最低25年の加入が必要)、厚生年金からもらえる老齢厚生年金の方は、加入期間だけでなく加入中の平均給与額によっても違ってきます。また、老齢厚生年金については、すでに段階的に65歳給付に移行し始めています。これにより、男性で昭和36年4月2日生まれ以降、女性で昭和41年4月2日生まれ以降の人は、65歳まで年金は1円ももらえません。

最近のトピックスとしては、今年の年金改革(改悪?)で2017年まで毎年保険料が上がり続け、それ以降は18.30%の労使折半で固定されることと、一方で給付水準も2025年の予想で「モデル世帯」で現役世代の手取額の50.2%となるとの試算(実は50%を切る可能性もあるとのことですが…)があります。なお、モデル世帯以外はそれよりも低い水準となります。

<厚生年金の給付水準(世帯あたり)−厚生労働省の試算による>
  2004年度
(保険料率13.58%)
2025年予想
(保険料率18.3%)
年金月額 給付水準(%) 年金月額予想 給付水準(%)
現役世代の
手取賃金
予想(万円)
現役世代の
手取賃金
予想(万円)
<夫婦>夫は40年間就労、妻は専業主婦
【モデル世帯】
23.4 59.3 23.7 50.2
39.4 47.2
<夫婦>40年間共働き 29.6 45.9 30.6 39.3
63.8 75.6
<夫婦>妻は出産で退社し、
その後正社員に(妻の就労期間26年2カ月)
27.3 49.6 27.9 42.0
55.4 66.4
<夫婦>妻は出産で退社して
専業主婦に(妻の就労期間6年9カ月)
24.4 56.1 24.8 47.5
43.4 52.2
<独身>40年間就労した男性 16.7 42.5 17 36.0
39.3 47.2
<独身>40年間就労した女性 12.9 52.7 13.1 44.7
24.5 29.4

年金は5年に1度見直されるので、将来いくらもらえるかは確定していません。でも、だいたいでいいので知りたいという人は社会保険庁のサイト内にある「年金額簡易試算」(http://www.sia.go.jp/outline/nenkin/simulate/simulate01.htm)で試算してみましょう。

雇用保険

雇用保険は会社員が加入する失業時に備える保険で、他にも、教育訓練給付など雇用促進に関する給付も行っています。雇用保険も不況の影響で失業者が増え、財政が悪化。じわじわと保険料がアップしています。現在は1.4%を労使折半となっています(業種によっては1.6%)。

2003年5月の改正では、自己都合退職者(5年以上の加入者)はやや給付日数が減少し、倒産・解雇による退職者(35歳以上45歳未満で10年以上の加入者)はやや給付日数が増える傾向に。

まとめ

以上、給料から引かれている税金と社会保険料の現状を見てきましたが、全体的に「負担増・給付減」の傾向が感じられますね。手取額に直接影響することなので、ニュースや新聞で税金や社会保障に関する話題がでたら、これからは関心をもってチェックしたいですね。

マネーカウンセリングネットWealth
ファイナンシャルプランナー、シニアリスクコンサルタント
豊田真弓
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