節約・ライフプラン

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節約マネーコラム

第5回:秋だから、「教育資金」を真剣に考えてみよう (2003年9月)

短かった夏も終わろうとしています。赤とんぼが行過ぎる様子や、聞こえる虫の声の変化に、秋の足音がひたひたと迫っているのを感じます。我が家は小3の子がいるのですが、2学期が始まって4日も経つのに、夏休みの宿題の1つだったはずの貯金箱工作用の紙粘土がパッケージも切られずに、まんま置いてあります。さて、この紙粘土は使われるのかどうか、結果をご報告できないのが残念です。

ところで、秋といえば、物思いにふける季節です(ですよね?)。涼しくなって、昼も短くなり、問題をじっくり考えられる季節なのではないでしょうか。不良債権処理問題だの、日本の景気回復なんてことは大きすぎるのでまたゆっくり考えるとして、今回は、子供のいる家庭について回る最大の難問である教育資金について、じっくり考えてみましょう。これを機に、しっかり手を打つところまでやれたらいいですね。

教育費っていくらかかる?

まずは、教育費がいくらかかるのかを知っておきましょう。統計上も半数近くが子供の大学進学を希望している現状を踏まえ、大学までを視野に入れてここからの話を進めます。下表は、学校教育費と塾などの学校以外の教育費、おけいこ事、お小遣いの合計ですが、幼稚園から大学までオール国公立に進んだ場合は、大学時代が自宅通いなら1037万円程度の教育費がかかります。部屋を借りて下宿をするなら、家賃や生活費がプラスされるため1404万円に。オール私立で大学が私立文系(自宅)なら1965万円

デフレが続きほとんどの物価が下がる中、教育費だけは下がる様子はなく、微増しています。データは現在の水準で見たものですので、10年後、20年後であれば、さらに上昇している可能性もあります。

<高校までの教育関係費>
(万円、UFJ銀行調べ)
    学校教育費
(入学金含む)
学校外教育費 おけいこ事
小遣い
合計
幼稚園
保育園(2年)
公立 30.6 1.7 12.3 44.6
私立 67.7 81.7
小学校 公立 45.9 51.1 66.8 163.8
私立 399.1 517.0
中学校 公立 35.2 59.4 20.8 115.4
私立 232.8 313.0
高校 公立 76.4 33.9 26.7 137.0
私立 243.7 304.3
合計 公立 188.1 146.1 126.6 460.8
私立 943.3 1216.0

<大学でかかる教育関係費>
(万円、UFJ銀行、全国大学生協連、文部科学省データより)
  国立 私立
文系 理系
自宅 下宿 自宅 下宿 自宅 下宿
受験関係・
入学時費用
77.5 158.2 79.5 189.8 86.0 196.4
授業料・生活費 499.0 784.6 669.4 1003.0 768.2 1101.7
合計 576.5 942.8 748.9 1192.8 854.2 1298.1

教育資金は早くから計画的に準備を

こんなにかかるんじゃ、どうしたらいい?と頭を抱えた人もいるのではないでしょうか。でも、過剰に心配しすぎず、冷静に対応しましょう。子供にかかる費用は、全額が一度にかかるわけではありません。国公立中心に進む場合、親の負担がきついのは高校・大学の時期。その時期の教育資金をあらかじめ準備しておくことが大事です。共働きで子供が少なければ比較的ゆとりはあるでしょうけれど、片働きで子供が多い家庭は、早くから計画的な準備をしておくことが必要です(子供が生まれたら積立を開始するのが理想)。また、ママの働き方もキーポイントになります。

大事なことは、最もきつくなる高校・大学時代の教育関係資金に備えて貯蓄しておくことです。貯蓄を取り崩す生活にもなりかねない高校・大学でかかるお金のうち、最低でも半分以上を目標に貯めておきたいもの。高校や大学を私立で考えるなら、その分を多めに準備しておきましょう。先ほどのデータで見ると、もしオール国公立で考えるなら、公立高校→国立大学の分として、(137万円+576万円)÷2=357万円を最低ラインとして貯めておけば、不足分は奨学金を借りたり、あるいはママも働いて補ったりして、何とかなるラインまでいけるでしょう。もちろん、あくまでも最低ラインですので、目標額をより高くした方が安心度はアップします。ただ、オール私立など、早くから私立コースを希望する場合は、世帯収入が一定以上に高く重い教育費負担に耐え続けられるか、そうでないなら、必要な教育費分くらいの貯蓄がすでにあるかしないと、教育費によって生活に支障が出かねません。いずれにしても、もっと厳密に教育費の問題を考えてみたい人は、下記のライフプラン設計を利用してチェックしてみましょう。


教育資金を貯める商品は?

教育資金の貯めワザは、ローリスクの商品で細く長くこつこつと貯めることです。貯蓄方法は、貯めやすい順番でいえば、(1)給料から天引き、(2)給与振込口座からの自動振替、(3)口座引落し、(4)集金してもらう、(5)自己管理する、の順でしょう。どの方法がいいかは、親であるパパやママの性格次第ですが、最大のコツは「サボらない」「使い込まない」です。預貯金なら子供名義の通帳を作って貯めるのも効果的でしょう。具体的な商品には次のようなものがあります。

(1)  給料天引:一般財形(職場)
(2) 自動振替:自動積立定期(銀行)、オート定額(郵便局)
(3) 口座引落し:こども保険(保険会社、郵便局)、公社債投信(証券会社)
(4) 集金:定期積金(信用金庫)、積立貯金、教育積立貯金(郵便局)
(5) 自己管理:子供名義の通帳を作って入金(銀行、郵便局)、MMF(証券会社)

「こども保険」は、入学時などにおりる「祝金」と、満期に下りる「満期保険金」とが教育資金の助けになる貯蓄型の保険です。子どもと、契約者となった親の2人が保険の対象になっている保険であるため(連生保険といいます)、万一、契約者である親が亡くなったときには、以後の保険料が免除され、祝金や満期保険金が予定通り受け取れる、といった特徴があります。「こども保険」は「保険だと貯められる」人に向きますが、払込んだ分が戻らない商品も多いのでご注意を。保険料は加入条件や特約の有無で変わるので、見積りをとって電卓を叩き、損得チェックをして判断しましょう。ちなみに、現在、有利な貯蓄型こども保険はソニー生命「5年ごと利差配当付学資保険」です。

親の保険の見直しも大事!

子供の教育資金を考える際、貯めることばかり頭がいってしまいますが、リスクマネジメントも重要。なぜなら、子を持つパパやママに万一のことがあったときに、保障が不十分だと、子供の希望する進路に進めない可能性も出てくるため。子供が増えるごとに、親自身の保障の見直しを忘れずに行いましょう。それはパパだけのことではありません。ママも赤ちゃんや幼い子がいる間は一定の保障が必要です。

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ファイナンシャルプランナー、シニアリスクコンサルタント
豊田真弓
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